林芳正・外相の父・義郎氏(時事通信フォト)
安倍長期政権下で、林氏は河村建夫氏の山口3区への鞍替えを目指し続けた。2017年総選挙では河村氏が引退する意向を漏らし、チャンスがきたと思われた。ところが、「安倍総理(当時)サイドが河村氏を強く慰留し、林さんの鞍替えはまたもや妨害された」(同前)
その間、政策通で国会答弁をそつなくこなす林氏は政治資金問題で辞任した西川公也氏の後任の農水相や、加計学園問題の後始末の文科相などを歴任する。一見、安倍首相(当時)に重用されたように見えるが、不祥事の“火消し役大臣”として便利に使われた臥薪嘗胆の期間だったともいえる。
その安倍氏の退陣をきっかけに、林氏は山口3区への鞍替えを決断、総選挙後、岸田政権の外相に就任したことで“遅れてきた総裁候補”にようやく本当の出番が回ってきた。
※週刊ポスト2022年1月28日号