『TOKIO』を1980年元日にリリース(時事通信フォト)

『TOKIO』を1980年元日にリリース(時事通信フォト)

「沢田さんがカリスマ的存在になったのは、彼の魅力を最大限に引き出す早川さんの天才的なスタイリングがあったからこそ。沢田さんも早川さんのセンスを高く評価していて、衣装合わせが長時間に及んでも、文句を言うようなことはありませんでした。

 連れ立って飲み歩くことはほとんどないようでしたが、2人の間には、多くを語らずとも理解し合えるような信頼関係があったのだと思います。沢田さんは早川さんの描くイメージ絵画を見るだけで、どんな衣装で、自分がどんな魅せ方をすればいいか、一瞬で理解しているようでした」(当時を知る関係者) 

「遅れている理由、全然わかりません」

 信頼関係で結ばれている2人の作品で、なぜ頓挫が囁かれるのだろうか。芸能関係者はこう語る。

「沢田さんの気持ちが変わって、中止となった前例があるからでしょう。2018年10月のコンサートでは開演1時間前になって、客席が埋まっていないことを理由に急遽、公演が中止になりました。ファンが出版中止の可能性を考えてしまうのも無理はありませんよ」

 さらに、コロナ禍での決断も、ファンが不安視する要因に。

「2020年末、ジュリーはファンクラブを閉鎖したんです。ホームページに突然、新型コロナの収束が見えないとして『令和2年12月26日をもってファンクラブを解散する』と書かれた文章が発表されて……。50年近くにわたって、彼の応援が心の支えだったので呆然としました」(前出・ファン)

 さらに、昨年3月には個人事務所「株式会社ココロ」を閉鎖。テレビ制作関係者や前事務所社長との間で、連絡がとれない状況であることが報じられた。

「ホームページから写真集の情報を削除するというのはただ事ではありません。編集作業の進行について“勝手にしやがって!”と言われかねないトラブルがあったとしか思えない」(前出・芸能関係者)

 制作にかかわる関係者もいまだ詳細を把握できておらず、出版間際という段階ではないようだ。ホームページで公開されている表紙候補の写真を撮影したカメラマンの横木安良夫氏はこう説明した。

「出版時期や、遅れている理由は全然わかりません。使用許可の連絡もまだ来ていないんですよ」

 肝心の早川氏に進行状況を聞いたが、険しい表情を浮かべて多くを語らず、事務所のドアをピシャリと閉めた。沢田をはじめ、関係者は写真集の進行について沈黙をつらぬいている。このまま写真集は幻となってしまうのだろうか。書籍の編集を担当するスローガン代表の熊谷朋哉氏に話を聞いたところ、発売日の変更はあくまで「掲載内容とページ数の大幅な追加」が理由だとし、「発売はする」と断言。横木氏への連絡はすでにしているとし、内容についても自信をのぞかせた。

『OH!ギャル』(1979年)ではメイクも注目された(時事通信フォト)

『OH!ギャル』(1979年)ではメイクも注目された(時事通信フォト)

「沢田さんと早川さんの作り上げた表現は、100年でも200年でも歴史に残るものだと思っています。2か月、3か月、遅れてしまうかもしれませんが、最高のものを早川さんも私も目指しています」

 今年は、沢田にとってデビュー55周年にあたる記念すべき年。写真集のページをめくりながら「待ったかいがあった」と思える日が来ることを、ファンは心から待ち望んでいる。

※女性セブン2022年2月3日号

2月下旬、昼食へ出かける田中(右)と沢田

昼食へ出かける妻・田中裕子(右)と沢田

仲良く外出

仲良く外出

寄り添う

カジュアルスタイルで

車に乗り込む2人

車に乗り込む2人

「志村さんを尊敬している」という沢田

2020年、外出する沢田

オファーから30分で快諾したという沢田研二

スポーティーな装いに眼鏡、マスクといういで立ち

感染対策のためにマスクをしっかりつけているジュリー

感染対策のためにマスクをしっかりつけているジュリー

妻と買い物に出た沢田

妻と買い物に出た沢田

志村さんとはお互い尊敬し合っていたという

買い物袋を提げて

関連キーワード

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト