スポーツ

開会式の旗手を丁重に断る 羽生結弦「五輪で勝ちたい」という強い思い

4回転半ジャンプに挑むと明言(写真/アフロ)

4回転半ジャンプに挑むと明言(写真/アフロ)

 2月4日の北京五輪開幕を前に、現地ではオミクロン株の感染急増による緊張感が増している。選手や関係者を隔離して外部と接触させない「バブル方式」が採用されたのはもちろん、鉄道の駅では関係者と一般客が交わらないよう警備員が監視。空港とホテル、競技会場の間は約240kmに及ぶ専用道路でつながれ、一般車両が走行した場合には罰金が科される徹底ぶりだ。

 厳戒態勢を取っているのは中国だけではない。1月20日、日本オリンピック委員会が北京五輪に派遣する選手団リストを発表。フィギュアスケートでは選手10名に対し、コーチやトレーナーなど13名が同行(1月25日現在)し、宇野昌磨(24才)を指導するステファン・ランビエールコーチや、鍵山優真(18才)の指導を行う父親の鍵山正和コーチらの名前が並んでいるが、羽生結弦(27才)が所属するカナダの「クリケットクラブ」のブライアン・オーサーコーチやジスラン・ブリアンコーチの名前は記載されていない。

「選手団をサポートするスタッフの人数も最小限にするよう要請されており、日本もソチ五輪や平昌五輪と比べて少ないスタッフ体制をとっています。人数が限られているからこそ、他国の選手を多く請け負っている羽生選手のコーチらは、あえて日本選手団のコーチとしてはエントリーしていないのかもしれません」(フィギュアスケート関係者)

 もう1つ、羽生のコーチ陣の名前がない理由に「ボイコット説」も濃厚に囁かれている。昨年12月、アメリカは中国政府の新疆ウイグル自治区などでの人権を無視した弾圧を批判。北京五輪に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を行うと発表した。これに対し、イギリスやオーストラリアなどが賛同し、同様の措置をとっている。

「クリケットクラブのあるカナダも『外交的ボイコット』を宣言しています。いまのところボイコットは政府関係者のみの話ですが、人権問題が絡むセンシティブなテーマゆえ、選手以外のスタッフの中に北京五輪に対し疑問を覚える“ボイコット・コーチ”がいてもおかしくありません」(別のフィギュアスケート関係者)

 ファンは“コーチ不在”に不安を覚えているようだが、羽生のなかではかなり前から「ひとりで挑む五輪」が描かれていたのかもしれない。

 今季、羽生は右足関節の靱帯損傷のけがのためグランプリシリーズを欠場。北京五輪出場がかかった昨年12月の全日本選手権で初戦を迎えたが、この大事な大会にもオーサーコーチの姿はなかった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン