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キンプリ永瀬廉は「異色の本格時代劇デビュー」時代劇研究家が語るその理由 

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キンプリ永瀬廉が主演するドラマ『わげもん~長崎通訳異聞』が最終回を迎える

 King & Princeの永瀬廉(23才)が主演するドラマ『わげもん~長崎通訳異聞』(NHK)。永瀬にとっては本格時代劇デビュー作となるが、これまでのアイドルのとは異なる異色のものだという。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが解説する。

 * * *
 いよいよ大詰めとなった永瀬廉主演の土曜ドラマ『わげもん~長崎通訳異聞』。
 
 幕末、海外との唯一の交易の場であった長崎を舞台に、優れた言語能力を持つ江戸出身の青年・伊嶋壮多(永瀬)が、失踪したオランダ通詞の父の行方と、密貿易の闇に迫る。「わげもん=和解者」とは、商用だけでなく、政治的交渉の場にも欠かせなかった通訳者を指す。

 先日の回では、父の事を知っていると見込んだ老通詞が不審な死を遂げ、壮多に殺人容疑が。捕らえられ、牢に入れられた壮多は、優秀な通詞だった父が長崎を追われた秘密を知る。

 父の悲劇を知り、悲しみいっぱいの壮多。目を見開き、涙を浮かべて「長崎が殺した!!」と絶叫する永瀬の表情に胸打たれる。気のせいか、このドラマは永瀬アップが多いような…。

 永瀬にとっては、本格時代劇デビュー作。多くのファン心に焼き付く作品になるのは間違いないが、長年、時代劇を見ている私としては、少し意外ではあった。アイドルの時代劇デビュー、主演作などは「時代劇の大御所俳優と共演する若侍の役」がとても多かったからだ。

 正月に放送された『必殺仕事人』に松岡昌宏、知念侑李とともに出演した東山紀之は、80年代に松方弘樹主演の『新選組』や『遠山の金さん』シリーズに出演。特に『金さん』では、町奉行遠山金四郎(松方)とからむ若き同心として、お茶の間に長く親しまれた。その後、大河ドラマ『琉球の風』に主演。『元禄繚乱』では、主人公の大石内蔵助(中村勘九郎のちの中村勘三郎)に慕われる若殿・浅野内匠頭役。15年前、『必殺仕事人』スタートの際には、藤田まこととも共演している。芸能界の中でも、多くの時代劇の大御所に学んだ俳優となっている。

 風間俊介も俳優としてのキャリアを積む中で、2005年の藤田まこと主演の時代劇『世直し順庵人情剣』の見習い同心役で出ていたし、『元禄繚乱』には2005年『義経』で大河ドラマに主演した滝沢秀明も、大石らの仇である吉良上野介(石坂浩二)の養子・吉良義周役で出演、討ち入りで吉良方と戦う赤穂方の最年少メンバー矢頭右衛門七は今井翼も出ていた。知念侑李がここ一番で矢を放った映画『超高速!参勤交代』も忘れがたい。大野智やジャニーズWESTの面々のようにコメディタッチの忍者役で活躍した例はあるが、ほとんどが若い武士だ。

 なぜ、武士の役が多いのか。理由の第一は、はつらつと前向きな若侍役に彼らがぴったりだからだろう。スピード感のある殺陣をこなす体力もある。若者らしい初々しさや危うさも、デビュー作ならば体当たりで表現できる。折り目正しい武士の所作をこなすチョンマゲ姿もなかなかに新鮮だ。

 そんな中、悩める若い町人という役で強い印象を残す永瀬廉。最終回では、さらに切ない場面が出てきそうだ。前述した今年の『必殺仕事人』には、岡っ引きと絵師という町人の兄弟役で岸優太や西畑大吾も出演していた。カッコいい若侍とは一味違う路線もアリ。若手アイドルの時代劇デビューの傾向は、変わりつつある。

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