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55周年『ANN』の功績 イルカをパーソナリティーに起用した“常識破り”

イルカが『ANN』リスナー時代を語る

『ANN』リスナー時代を語ったイルカ

 鶴光、タモリ、たけし、イルカ、中島みゆきなど数々のパーソナリティーを生み出したニッポン放送のラジオ深夜番組『オールナイトニッポン』(以下『ANN』)。1967年10月2日深夜1時にスタートし、今年放送開始55周年を迎える。シンガーソングライターのイルカが、『ANN』パーソナリティー時代を振り返る。

「聴いた?」と言えば『ANN』だった時代

 シンガーソングライターをパーソナリティーに起用したのも、ラジオ業界では『ANN』が最初であり、これも常識破りといえる。『なごり雪』などの名曲で知られるイルカは、1974年から番組を担当した。

「当時の私は、フォークソンググループ『シュリークス』が解散し、ソロデビューしたばかり。夫でマネジャーの神部(故・神部和夫さん)と一緒に、ディレクターの宮本幸一さんを訪ね、ニッポン放送のティールームでお茶を飲みながら雑談をしたことを覚えています」(イルカ・以下同)

 そのとき、学生時代に当時ニッポン放送の社員だった亀渕昭信さんの『ANN』にはがきを出したことなどを話した。

「その後すぐに、夫から“決まったよ”と言われ、“何が?”と聞くと、『イルカのオールナイトニッポン』だと。当時『ANN』はすでに爆発的な人気を誇っていた番組。学校で“聴いた?”と言えば、『ANN』を指すほどでした。はがきが読まれようものなら、その人は学校の大スター。それほど影響力がある番組だったので驚きました」

 ソロデビューしたばかりで、コンサートでのおしゃべり経験も少ない。緊張のうちに始まった1回目の放送は、何を話したか覚えていないという。

「夫がマイクの前に座ってくれて、私が読むはがきを渡してくれて……。夫婦二人三脚で2時間の番組がスタートしました。初回は両親もはがきを送ってくれたんですよ。私は自分がリスナー時代にはがきを読まれなかったことがあったので、1枚でも多くはがきを読みたくて、放送終了ギリギリまで粘っていました」

 そのせいか、すぐに人気番組に急成長する。

 イルカはその存在も新しかった。当時、女性のパーソナリティーは、アナウンサー出身がほとんど。トークも言葉遣いも丁寧で品がよかった。

「一方、私はガハハと話すでしょ。それに名前やレコードジャケットからでは性別さえもわからない。はがきに“イルカは男なの? 女なの?”と質問が書かれていることもありました」

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