スポーツ

羽生結弦「夢」への挑戦終わる「報われない努力だったかもしれないけど」

2月10日、北京五輪での演技を終えた羽生

2月10日、北京五輪での演技をすべて終えた羽生(時事通信フォト)

 世界中から注目された羽生結弦(27)の挑戦が、ひとまず終わった。試合後のインタビューで羽生は「報われない努力だったかもしれないけど、でも一生懸命頑張りました」と3度目の五輪を振り返った。

 北京五輪男子フィギュアスケートのフリースケーティングで、ショートプログラム8位の羽生結弦は演技冒頭で前人未到の4回転アクセル(4回転半ジャンプ)に挑むも、着氷でこらえることができず転倒。その後の4回転サルコウでも転倒したことも響き、以降のジャンプはすべて成功させたもののフリーで188.06点、トータル283.21点で4位に終わった(*採点表上は4回転半の回転不足の判定となり、ジャンプの種類としては4回転半として扱われている。これはISUの公認大会では初の認定)。

「全部出し切ったというのが正直な気持ちです。明らかに前回大会よりもいいアクセルを跳んでましたし、もうちょっとだったなと思う気持ちももちろんあるんですけど、でも、あれが僕のすべてかなって」

 試合後のインタビューで羽生はそう切り出すと、「もちろんミスをしないということは大切だと思いますし、そうしないと勝てないのはわかるんですけど、でもある意味あの前半2つのミスがあってこそ、『天と地と』という物語が出来上がったのかなと思います」と自身の挑戦を振り返った。

「いやもう、一生懸命がんばりました。正直、これ以上ないくらい頑張ったと思います。まあ、報われない努力だったかもしれないですけど、確かにショートからうまくいかないこともいっぱいありましたけど、むしろ今回うまくいかなかったことしかないですけど、でも一生懸命がんばりました。ありがとうございました」

 まだ誰も成し遂げたことのない4回転アクセル成功が、平昌以降の羽生のモチベーションだった。4回転アクセルは「自分の夢でもあり、みんなの夢」でもあった。

 平昌に続く94年ぶりとなる五輪3連覇の偉業に向けて、ショートプログラムではリンクの溝に足を取られるという不運のアクシデントで8位となってしまう。4回転アクセルを世界で初めて決めて奇跡の大逆転というシナリオが期待されたが、叶わなかった。しかし、挑戦を終えた羽生結弦はどこか清々しいような表情をしていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
生徒のスマホ使用を注意しても……(写真提供/イメージマート)
《教員の性犯罪事件続発》過去に教員による盗撮事件あった高校で「教員への態度が明らかに変わった」 スマホ使用の注意に生徒から「先生、盗撮しないで」
NEWSポストセブン
(写真/イメージマート)
《ロマンス詐欺だけじゃない》減らない“セレブ詐欺”、ターゲットは独り身の年配男性 セレブ女性と会って“いい思い”をして5万円もらえるが…性的欲求を利用した驚くべき手口 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン