国内

女性プロゲーマー炎上 軽々に使われてしまった「人権」について考えた

配信での発言が非難されているプロゲーマー「たぬかな」さん(たぬかな公式Twitterより)

配信での発言が問題視されたプロゲーマー「たぬかな」さん(たぬかな公式Twitterより)

 2月15日の生配信中に、Uber EATS利用時に男性配達員から連絡先を聞かれて恐ろしかった体験を話していたプロゲーマーの女性が、配達員に興味を持てなかった理由として身長が165センチくらいだったことをあげた。視聴者からの「(身長)165(センチ)でチビ扱いか」という反応に対し「170ないと、正直人権ないんで」と放言したことが拡散され、さらには「(胸が)Aカップ(の女性)に人権なくない?」とも語っていたことで非難が集まっている。契約していたプロチームは契約解除を公表し、本人からも謝罪コメントが公表されたが、他にも契約解除者が出てしまいSNSを中心にざわつきは収まりそうにない。俳人で著作家の日野百草氏が、軽々に使われてしまった「人権」という言葉について考えた

 * * *
「すげーカッコよかったんだよ、あんなにキマったジャズは見たことない」

 もう20年くらい前、筆者が編集長をしていた雑誌のスタッフとのバイク談義、彼は元バイク雑誌のライターだったので筆者のバイクの師匠でもあった。そんな彼とのバイク話の中で出たのが低身長症、いわゆる「小人症」と呼ばれたライダーの話だった。最初に断っておくが、低身長は成長ホルモン分泌不全症、軟骨無形成症、軟骨低形成症ほか様々な要因がある。それぞれに特徴も違う。低身長というだけで障害には当たらないケースもあるが、ここでは障害者、そうでない者含め主題の発言に沿うために便宜上「低身長」として扱う。

「ネック(角)寝かせてロングフォークでさ、ライダーのシルエットもすげーキマってるんだ」

 ホンダの原付バイク「ジャズ」は1986年から2000年まで生産された。いわゆるアメリカのハーレーダビッドソンに代表される「アメリカン」もしくは「クルーザー」と呼ばれるモデルで、その中でもスーパーカブ50のエンジンを積んだ「リトルアメリカン」と称される原付バイクである。カスタム用語は本旨ではなく多くは書かないが、別のバイク編集者いわく、ジャズ発売当時はアメリカの有名カスタムビルダー、アレン・ネスが大喜びしたとか。その真偽はともかく小さな原付ながらカスタムはもちろん、ノーマルであってもその完成度は素晴らしかった。筆者もコレクションの1台として所有していたことがある。

「あのジャズ乗り、ほんとかっこよかったよ」

 それより筆者にとって印象的なのは、彼がその見かけたジャズ乗りのことを真剣に話し、称賛していたことだった。この書き起こしたテキストだけをレイシストが読むなら嘲笑まじり、と取るかもしれない。しかし彼は心底リスペクトしていた。

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン