国際情報

北朝鮮でBTSのダンスを教えた高校教師や学生が逮捕 両親に罰則の可能性も

昨年末ごろから内偵捜査が始まっていたという

昨年末ごろから内偵捜査が始まっていたという

 北朝鮮の秘密警察、国家保衛省の「反社会主義捜査チーム」は1月下旬、平壌市内で10代の学生ら数人に、韓国の人気男性アイドルグループ、BTSのダンスステップやディスコダンスなど「資本主義的な思想・行動」を教えていたとして、30代の女性高校教師と学生らを逮捕していたことが明らかになった。

 北朝鮮では2020年末、最高人民会議(国会の相当)常任委員会で「反動的思想・文化排撃法」が採択されて以来、主に韓国や米国メディアのビデオなどを隠し持っている市民らを厳重に取り締まっており、重犯罪者に最高刑で死刑になる。金正恩指導部は西側社会の文化などの流入に、かなり神経質になっているのだ。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 逮捕された女性教師は平松芸術大学でダンスの振付を専攻し、数年前から平壌市内の高校でダンスを教えていた。しかし、教員給与だけでは生活が苦しく、彼女は自宅でダンス教室を開き、高級幹部の子弟の中高生らにダンスを教えて、生計を立てていた。

 生徒たちは週に2回、1~2時間の個人レッスンを受けていたが、彼らは北朝鮮の伝統的な舞踊ではなく、「韓国や中国、米国の若者のように踊れるようになりたい」と教師に要求。彼女は韓国BTSのダンスを撮影したSDカードを入手し、彼らに振付を教えていたという。

 だが、うわさは生徒の間で広まり、反社会主義捜査チーム昨年末ごろから内偵捜査を開始。

 北朝鮮当局者は「捜査チームのメンバーは2日間、私服でダンス講師の家の周辺で張り込みを続けており、多くの生徒が家のなかに入っていくのを見て、現場に踏み込んだ」と語っているという。

 北朝鮮では2月1日が旧正月に当たるが、例年、旧正月の前後には、規則の施行にやや寛大になる傾向があり、住民はこの時期に韓国映画を観たり、外国の歌を聴いたりすることが多く、捜査チームは警戒を強めていた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

高市早苗首相(時事通信フォト)
《日中外交で露呈》安倍元首相にあって高市首相になかったもの…親中派不在で盛り上がる自民党内「支持率はもっと上がる」
NEWSポストセブン
阿部なつき(C)Go Nagai/Dynamic Planning‐DMM
“令和の峰不二子”こと9頭身グラドル・阿部なつき「リアル・キューティーハニー」に挑戦の心境語る 「明るくて素直でポジティブなところと、お尻が小さめなところが似てるかも」
週刊ポスト
高市早苗首相の「台湾有事」発言以降、日中関係の悪化が止まらない(時事通信フォト)
「現地の中国人たちは冷めて見ている人がほとんど」日中関係に緊張高まるも…日本人駐在員が明かしたリアルな反応
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(現場写真/読者提供)
【“分厚い黒ジャケット男” の映像入手】「AED持ってきて!」2人死亡・足立暴走男が犯行直前に見せた“奇妙な”行動
NEWSポストセブン
10月22日、殺人未遂の疑いで東京都練馬区の国家公務員・大津陽一郎容疑者(43)が逮捕された(時事通信フォト/共同通信)
《赤坂ライブハウス刺傷》「2~3日帰らないときもあったみたいだけど…」家族思いの妻子もち自衛官がなぜ”待ち伏せ犯行”…、親族が語る容疑者の人物像とは
NEWSポストセブン
ミセス・若井(左、Xより)との“通い愛”を報じられたNiziUのNINA(右、Instagramより)
《ミセス若井と“通い愛”》「嫌なことや、聞きたくないことも入ってきた」NiziU・NINAが涙ながらに吐露した“苦悩”、前向きに披露した「きっかけになったギター演奏」
NEWSポストセブン
「ラオ・シルク・レジデンス」を訪問された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月21日、撮影/横田紋子)
「華やかさと品の良さが絶妙」愛子さま、淡いラベンダーのワンピにピンクのボレロでフェミニンなコーデ
NEWSポストセブン
クマ被害で亡くなった笹崎勝巳さん(左・撮影/山口比佐夫、右・AFP=時事)
《笹崎勝巳レフェリー追悼》プロレス仲間たちと家族で送った葬儀「奥さんやお子さんも気丈に対応されていました」、クマ襲撃の現場となった温泉施設は営業再開
NEWSポストセブン
役者でタレントの山口良一さん
《笑福亭笑瓶さんらいなくなりリポーターが2人に激減》30年以上続く長寿番組『噂の!東京マガジン』存続危機を乗り越えた“楽屋会議”「全員でBSに行きましょう」
NEWSポストセブン
11月16日にチャリティーイベントを開催した前田健太投手(Instagramより)
《いろんな裏切りもありました…》前田健太投手の妻・早穂夫人が明かした「交渉に同席」、氷室京介、B’z松本孝弘の妻との華麗なる交友関係
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサー、ボニー・ブルー(Instagramより)
《1日で1000人以上と関係を持った》金髪美女インフルエンサーが予告した過激ファンサービス… “唾液の入った大量の小瓶”を配るプランも【オーストラリアで抗議活動】
NEWSポストセブン