芸能

読書家女優の南沢奈央「母の闘病だけは苦しくて書けなかった」

南沢奈央

遠藤和さんの闘病記に感銘を受けたという南沢奈央

  21才で大腸がんステージIVの宣告を受け、22才で結婚、23才で娘を出産。2021年9月、闘病の末に24才で亡くなった遠藤和(のどか)さんが1才の娘のために綴った日記をまとめた『ママがもうこの世界にいなくても』が話題を呼んでいる。芸能界きっての読書家で、書評の連載も持つ女優の南沢奈央さんに話を聞いた。

 * * *
 もともと、読書が大好きでした。好きだと口にしていたら、ありがたいことに書評のお仕事までいただけるようになり、現在に至ります。ただ、読むのは小説などフィクションが主で、ノンフィクションにはあまり触れてきませんでした。なかでも闘病記というジャンルの本はほとんど読んだことがなかったので、新鮮な気持ちで手に取りました。

 表紙とタイトルを見て、ずっとつらい話が続くのかな? と身構えてどきどきしていたのですが、想像していたよりもたくさん前向きな言葉が散りばめられていたので、のめりこむように読み進めることができました。和さんのまっすぐな言葉は、私の心にグサグサと刺さり……、むしろ励まされちゃった、そんな感覚です。

 ふだん、本にふせんを貼ることはしないのですが、今回は勇気をもらえた言葉や印象に残ったシーンを覚えていたくて、結果的に、かなりたくさん貼ることになりました。

 たとえば、2021年5月20日の日記の「(入院中、夫の遠藤将一さんに)会えただけで全然違う。生きる気力が湧いてきた。やっぱり、遠藤さんが最強の薬なんだ」という言葉は、すごく印象的でした。将一さんは、一貫して「がんは治る」と励まし続けました。いちばん身近な家族が、誰よりも前向きでひたむきな姿勢だったことは、和さんも心強かっただろうなと思います。そして、病気と闘っている和さんの姿は、とても力強くたくましかったです。

 将一さんと、和さんのご実家も交えて、頻繁に家族会議をするスタイルも素敵だと思いました。「話し合って決める」って、シンプルなように見えて、難しいじゃないですか。でも、和さんのご家族は、それぞれ自分の意見を言って、ほか家族の意見を聞いて――双方向のコミュニケーションを成り立たせていて、すごいなと感銘を受けました。

 読みやすかったのは、日記という形式だったこともあるのかな。私、子供の頃から日記が好きだったんですよ。友達との交換日記にはすごくハマった記憶があります。懐かしい(笑い)。

関連キーワード

関連記事

トピックス

橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン
フレルスフ大統領夫妻との歓迎式典に出席するため、スフバートル広場に到着された両陛下。民族衣装を着た子供たちから渡された花束を、笑顔で受け取られた(8日)
《戦後80年慰霊の旅》天皇皇后両陛下、7泊8日でモンゴルへ “こんどこそふたりで”…そんな願いが実を結ぶ 歓迎式典では元横綱が揃い踏み
女性セブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
「凛みたいな女はいない。可愛くて仕方ないんだ…」事件3週間前に“両手ナイフ男”が吐露した被害者・伊藤凛さん(26)への“異常な執着心”《ガールズバー店員2人刺殺》
NEWSポストセブン