芸能

読書家女優の南沢奈央「母の闘病だけは苦しくて書けなかった」

 大人になってからは、一日の終わりに、気持ちをリセットする手段として「3行日記」を書いていたことがあります。1行目に「うれしかったこと」、2行目に「嫌だったこと」、3行目が「明日の目標」。うれしいことも、嫌なことも、凝縮して書き記して、“今日”に置いていく。一日を浄化する儀式になっていたと思います。

 最近は、文章を書くお仕事をさせていただけるようになったので、そういう場でもうまく気持ちを浄化できるようになりました。自分の内心を言葉にできると、すごくすっきりします。書いている最中は、しんどいんですけどね。

 あまりにもしんどくて、書くことを途中でやめてしまった経験もあります。母が乳がんになったときのことです。病状を日記の形で残そうと思って、そのためにノートを買ってきて。先生に言われたこととか、どんな症状が現れたとか、とにかく書き始めました。でも、書き進めていけばいくほど、本当につらくて、もやもやした気持ちが溢れてきて。現実に向き合うことが耐えられなくなって、書き始めて数日で、ペンを持てなくなってしまいました。

 幸い母は快復できたので、病状は比較的深刻ではなかったはずです。それでも、当時の私にとっては、受け止められないほど本当につらいことでした。母の病気と向き合うのも、あれだけしんどかったのに、自らが闘病中の身だった和さんは、どれほどの思いで日記を綴って、この本を遺したんだろうと……。私には想像もつきませんが、ただ、涙がとまりませんでした。

 いま目の前にある今日を、そして家族との関係を、いままで以上に大事にしなくちゃ、と思わされる本でした。読み終えて、和さんをすごく身近に感じるようになったんですけれど、お会いしたくても、彼女はもうこの世界にはいないんですよね。それがさみしいですが、和さんの言葉はこれからも多くの人の胸の中で生き続けると思います。

◆南沢奈央(みなみさわ・なお)
女優、タレント。1990年埼玉県生まれ。2006年に女優活動をスタート。2008年から2009年にかけ、主演ドラマ・映画『赤い糸』が注目を集めた。現在はドラマ、映画、舞台、ラジオMC、など幅広く活躍中。女優業の傍ら、書評、連載など本に関わる活動でも存在感を発揮している。舞台「エゴ・サーチ」(4/10~24 東京・紀伊國屋ホール、4/30~5/1 大阪・サンケイホールブリーゼ)に出演予定。

外出も

娘と桜並木を散歩(2021年4月)

和さん

お誕生日プレゼントのピアノを弾く娘

ステージIVで出産するに至るまで

結婚当時の遠藤和さんと将一さん(2019年12月)

「娘は喃語を話すようになったくらいです。早く会話がしたいな」(和さん)(写真/本人提供)

間もなく1才の頃。喃語を話すようになったという

手術前、最後に娘と抱き合う和さん(写真/本人提供)

手術前、娘と抱き合う和さん

家族で同じ色の服

家族で同じ色の服

「離乳食は好き嫌いなく食べてくれます」(和さん)(写真/本人提供)

離乳食を与える和さん

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