そのゾルゲに憧れていたというプーチンは、近年、ロシア国内でゾルゲを再評価し、顕彰する動きを強めていたという。
「プーチンはKGB出身の自分と『20世紀最大のスパイ』と呼ばれるゾルゲを重ね合わせようとしています。ゾルゲファンのプーチンに呼応するように、ロシア国内には次々とゾルゲの銅像が建てられ、『ゾルゲ』というドラマが人気を博すなど、ゾルゲブームの様相を呈しています。
今年1月にはロシアの外相が議会で『北方領土にゾルゲの遺骨を埋葬する計画がある』と発言し、物議を醸しました。駐日ロシア大使は『具体的に検討しているわけではない』とただちに否定しましたが、プーチン周辺にその意思があることは確かでしょう。そうした動きを見ても、プーチンが親日家という見方は楽観的すぎると言わざるを得ません」(同前)