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プーチンは「親日家」という誤解 日本を陥れた大物スパイに憧れも

親日家というイメージのプーチン氏だが(写真/AFP=時事)

親日家というイメージのプーチン氏だが、氏が憧れるのは…(写真/AFP=時事)

 ウクライナ侵攻で世界を危機に追い込んでいるロシアのプーチン大統領。強面なプーチン氏だが、これまでの日本では「親日家」として知られ、親しみやすさを感じていた人も多かったのではないか。大の柔道愛好家であり、日本から贈られた秋田犬を可愛がっていることなどもそのイメージに一役買っていた。だが、全国紙の元モスクワ特派員は、その見方に疑問を呈す。

「プーチンが柔道愛好家、愛犬家であることは確かですが、それをもって親日家とする見方は誤解にすぎません。北方領土をめぐっても、何度も揺さぶりをかけながら、いまだに本格的な交渉のテーブルにつこうとしない。日本に好感情を抱いているかどうかは分かりませんが、少なくともそれが政治的行動に繋がっているようには見えません。

 そもそもプーチンが柔道をするようになったきっかけは、KGB(ロシアの諜報機関)にスカウトされるために、格闘技のキャリアを積む必要があったからです。プーチンはロシア伝統の格闘技であるサンボも習っていましたが、小柄なプーチンには柔道のほうが合っていたため、のめり込んでいったようです。つまり、プーチンにとっての柔道はあくまで格闘技としてであって、必ずしも武士道精神に共感したということではないのです」

 そもそもプーチンがKGBを志したきっかけからして、親日家とは言いがたい。プーチンは2020年、タス通信のインタビューに「高校生の時、私はゾルゲのようなスパイになりたかった」と打ち明けた。ソ連のスパイだったリヒャルト・ゾルゲは、太平洋戦争前に日本で暗躍した大物スパイ。ドイツ人記者になりすまして、朝日新聞の記者だった尾崎秀実はじめ日本に情報網を築き上げ、情報戦において日本に大打撃を与えた人物である。

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