薬物療法は約80%の患者に有効だが、効果が得られない難治性過活動膀胱にはボトックス膀胱壁内注入療法や仙骨神経刺激療法を行う。
ボトックス療法はボツリヌス菌が作り出す筋弛緩作用の、たんぱく質A型ボツリヌス毒素を使い、膀胱の筋肉を緩める。具体的には内視鏡で膀胱の内側20か所にボトックスを注射、効果は半年間程度持続するという。
仙骨神経刺激療法はリード線を仙骨神経付近に留置、ペースメーカーのような本体から電気刺激を流し、症状の改善を目指す。
「昔も今も、女性を悩ましているのが腹圧性尿失禁で、お腹に力が入った時に漏れてしまう厄介な病気です。このように、排尿に関しては男女関係なく悩んでいる方が多く、まずは専門医で尿漏れの原因を特定し、治療を始めることが大切です」(古田准教授)
取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2022年3月18・25日号