スポーツ

プロ野球「予告先発」導入から10年 かつて野村克也・落合博満らが反対した理由

予告先発で野球の楽しみ方はどう変わったか(写真は2011年。田中将大と斎藤佑樹のプロ入り初の直接対決。時事通信フォト)

予告先発で野球の楽しみ方はどう変わったか(写真は2011年。田中将大と斎藤佑樹のプロ入り初の直接対決。時事通信フォト)

 先発投手が前日に判明する『予告先発制度』が両リーグで採用されてから、丸10年が経つ。パ・リーグは1994年から全試合で導入。当初、セ・リーグは採用を見送っていたが、2012年から導入し、同年から交流戦も含めてレギュラーシーズンの全試合が『予告先発』になった。野球担当記者が解説する。

「もともと、観客動員に悩んでいたパ・リーグが1983年の開幕戦で初めて採用しました。その後、開幕戦や日曜日に『予告先発』をする年があって、1994年から全試合で行なうようになり、今に至ります。セ・リーグは“反対派”だった中日・落合博満監督が退任した翌年から導入されました」(以下同)

 予告先発は誰が投げるか事前にわかることで、ファンを球場に呼びやすくなる。また、チームとしては、試合前のミーティングで1投手の対策に絞ればいいため、無駄がなくなるという利点がある。

「『観客動員アップのため』は建前でしょう。セ・リーグは導入前の2011年と比べ、2012年の入場者数が減っています。だからといって、予告先発廃止の議論にはなりませんでした。もちろん、各チームのエース級投手が投げる日には、『ぜひ観に行こう』というファンも多くいるでしょうが、それ以外の予告先発はほぼ観客動員に影響しないのが現実。各球団の本音としては、余計な時間を使いたくないのでしょう。

 先発を発表していない時代は、2~3投手への対策を立てながらも、予想外の違う投手が出てくることもあった。それが予告先発なら、余計な神経を使う必要もなくなる。その分、練習に集中できるし、正々堂々とした真っ向勝負になっていいという見方もある。一方で、予告先発は『強者がより強者になる』制度です。正攻法で戦えば、戦力のあるチームが有利になりますからね」

新庄ビッグボスが指名する開幕投手も前日までに判明

 2006年には、楽天の指揮官1年目の野村克也監督が12球団監督会議で、予告先発の廃止を主張。「相手の先発を教えてもらうと監督が楽。そういうことだから、後継者が育たない」「戦いは90%が読み。騙された、当たったという快感もある」「弱い球団には不利。奇策、奇襲が使えない」などと持論を展開した。だが、現在に至るまで同制度はなくなっておらず、“先発の読み合い”は消滅した。

関連記事

トピックス

大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
「What's up? Coachella!」約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了(写真/GettyImages)
Number_iが世界最大級の野外フェス「コーチェラ」で海外初公演を実現 約7分間、圧巻のパフォーマンスで観客を魅了
女性セブン
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
《家族と歩んだ優しき元横綱》曙太郎さん、人生最大の転機は格闘家転身ではなく、結婚だった 今際の言葉は妻への「アイラブユー」
女性セブン
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
天皇皇后両陛下、震災後2度目の石川県ご訪問 被災者に寄り添う温かいまなざしに涙を浮かべる住民も
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。  きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
年商25億円の宮崎麗果さん。1台のパソコンからスタート。 きっかけはシングルマザーになって「この子達を食べさせなくちゃ」
NEWSポストセブン
大谷翔平を待ち受ける試練(Getty Images)
【全文公開】大谷翔平、ハワイで計画する25億円リゾート別荘は“規格外” 不動産売買を目的とした会社「デコピン社」の役員欄には真美子さんの名前なし
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン