芸能

大河、小池栄子VS江口のりこで「亀の前事件」 三谷幸喜が“女のバトル”押し出す狙い

元グラドル、今は演技派(小池栄子)

大河での演技が話題を呼ぶ小池栄子

 放送開始から何かと話題になっている三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。前回の放送で、歴史に残る正妻と妾のバトル「亀の前事件」が予告されネットでは話題沸騰。三谷氏はどんな脚本を書くのか? そして“女のバトル”を押し出す狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 27日に放送される大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)第12話のタイトルは「亀の前事件」。これは源頼朝(大泉洋)の正室・北条政子(小池栄子)と愛妾・亀(江口のりこ)の騒動であり、次週予告でタイトルが発表されたとき、ネット上が沸きました。

 その理由は、中世が舞台の大河ドラマで「女の戦い」をここまでフィーチャーするのは異例だから。亀の前事件は、ナレーションで済ませるか、あるいはスルー。扱うとしても、ワンシーン程度がスタンダードなところでしょう。

 しかし、脚本家の三谷幸喜さんは大切な1話の多くを使い、タイトルにするくらいしっかり扱うことを選びました。ちなみにこのとき、主人公の北条義時(小栗旬)は基本的に蚊帳の外。ところが「歴史上の大きな出来事をじっくり描いてほしい」という傾向が強い大河ドラマファンを怒らせるどころか、期待の声が挙がっていることに驚かされます。

 なぜ「亀の前事件」はここまでフィーチャーされ、どんな見どころがあるのでしょうか。

中世も令和も変わらない嫉妬と怒り

 第12話の予告映像は、「頼朝の浮気がバレた」というナレーションからスタート。妊娠中に発覚したこともあって北条政子は、「許せない。あの薄い顔の女ね」「このままでは腹の虫がおさまりません」と鬼の形相を見せています。さらに家の焼け跡を見た頼朝が、「ここまでするか?」と驚く様子や、継母・りく(宮沢りえ)の「とがめるべきは、夫のふしだら!」と火に油を注ぐようなシーンなどもありました。

 浮気に対する嫉妬や怒り、夫より相手の女に向けられる強烈な嫌悪。「妻が妊娠中の浮気」というシチュエーションも含めて、中世も令和の今も変わらないところがあるだけに、三谷さんにとっては「面白い人間ドラマを見せる上でおいしい事件」なのでしょう。また、三谷さんが「原作のつもりで書いている」と語る『吾妻鏡』に「亀の前事件」が書かれていたことが、これほどフィーチャーされるベースになっています。

 ここまで三谷さんは、「中世の言葉では視聴者が理解しづらい」という観点から、あえてわかりやすい現在の言葉でセリフを書いてきました。「亀の前事件」は現在の言葉を使うことで、より政子たちの感情が視聴者に伝わりやすいシーンになるため、盛り上がりが期待できそうです。

 さらに、その当事者を小池栄子さん、江口のりこさん、宮沢りえさんが演じることも「亀の前事件」をこれほどフィーチャーする理由の1つでしょう。名女優たちがこの騒動をどう演じるのか。歴史マニアの三谷さんが、彼女たちをイメージして楽しみながらあて書きしている姿が浮かんでくるようです。

関連記事

トピックス

レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
《訃報》「生きづらさ感じる人に寄り添う」遠野なぎこさんが逝去、フリー転向で語っていた“病のリアルを伝えたい”真摯な思い
NEWSポストセブン
なぜ蓮舫氏は東京から再出馬しなかったのか
蓮舫氏の参院選「比例」出馬の背景に“女の戦い”か 東京選挙区・立民の塩村文夏氏は「お世話になっている。蓮舫さんに返ってきてほしい」
NEWSポストセブン
泉房穂氏(左)が「潜水艦作戦」をするのは立花孝志候補を避けるため?
参院選・泉房穂氏が異例の「潜水艦作戦」 NHK党・立花孝志氏の批判かわす狙い? 陣営スタッフは「違います」と回答「予定は事務所も完全に把握していない」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《真美子さんの艶やかな黒髪》レッドカーペット直前にヘアサロンで見せていた「モデルとしての表情」鏡を真剣に見つめて…【大谷翔平と手を繋いで登壇】
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と浜辺美波のアツアツデート現場》「安く見積もっても5万円」「食べログ予約もできる」高級鉄板焼き屋で“丸ごと貸し切りディナー”
NEWSポストセブン
誕生日を迎えた大谷翔平と子連れ観戦する真美子夫人(写真左/AFLO、写真右/時事通信フォト)
《家族の応援が何よりのプレゼント》大谷翔平のバースデー登板を真美子夫人が子連れ観戦、試合後は即帰宅せず球場で家族水入らずの時間を満喫
女性セブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《永瀬廉と全身黒のリンクコーデデート》浜辺美波、プライベートで見せていた“ダル着私服のギャップ”「2万7500円のジャージ風ジャケット、足元はリカバリーサンダル」
NEWSポストセブン
6月13日、航空会社『エア・インディア』の旅客機が墜落し乗客1名を除いた241名が死亡した(時事通信フォト/Xより)
《エア・インディア墜落の原因は》「なぜスイッチをオフにした?」調査報告書で明かされた事故直前の“パイロットの会話”と機長が抱えていた“精神衛生上の問題”【260名が死亡】
NEWSポストセブン
亡くなった三浦春馬さんと「みたままつり」の提灯
《三浦春馬が今年も靖国に》『永遠の0』から続く縁…“春友”が灯す数多くの提灯と広がる思い「生きた証を風化させない」
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《タクシーで自宅マンションへ》永瀬廉と浜辺美波“ノーマスク”で見えた信頼感「追いかけたい」「知性を感じたい」…合致する恋愛観
NEWSポストセブン
手を繋いでレッドカーペットを歩いた大谷と真美子さん(時事通信)
《産後とは思えない》真美子さん「背中がざっくり開いたドレスの着こなし」は努力の賜物…目撃されていた「白パーカー私服での外出姿」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン