三谷幸喜一覧

【三谷幸喜】に関するニュースを集めたページです。

小栗旬演じる北条義時(C)NHK
『鎌倉殿の13人』三谷幸喜氏が初めて描く「勝ち組主人公」で注目集まるラスト
 放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、序盤の和やかなホームドラマから一転、物語は身内で謀略が行き交う緊張の中盤にさしかかる。史実では今後、「承久の乱」など主要キャストにさらなる重大事件が待ち受ける。中盤から気になるラストシーンにかけて、激動の歴史を脚本の三谷幸喜氏はどう描くのか。 源実朝(柿澤勇人)の死後、幕府の混乱を好機と捉えた後鳥羽上皇(尾上松也)は「北条義時追討」の命を発し、幕府最大の権力者となっていた北条義時(小栗旬)の排除を決断する。しかし東国武士の進撃に屈し、上皇方は大敗。これが「承久の乱」だ。歴史研究家の河合敦氏が語る。「義時追討の宣旨が出されると、義時は動揺し、なかなか上皇方と戦おうとしなかった。その時、鎌倉武士たちを叱咤し、結束させたのが北条政子(小池栄子)です。今回の大河では、小池・政子は少し抜けたところもあって、感情の起伏が激しいコミカルな人物として描かれている。でも承久の乱に向けて、どんどん有能で力強いキャラクターに変わっていくはずです」 尼将軍と称されるようになる政子だが、時代劇研究家のペリー荻野氏はこんな期待も寄せる。「“強い政子”の一方で、小池・政子のお茶目な部分も消えないでほしい。政子は第2の主人公であり、三谷氏は人間ドラマを丁寧に書くと思います。『草燃える』でも、ほとんど政子役の岩下志麻さんのドラマと言えるほどの存在感でしたから」三谷氏が初めて描く「勝ち組主人公」の最期 過去に三谷氏が大河ドラマで描いてきた主人公は、『新選組!』(2004年放送)の近藤勇も、『真田丸』の真田幸村も、最後には敗れる「悲劇のヒーロー」だった。最後まで権力闘争に勝ち続けた義時のラストはどうなるのか。『吾妻鏡』によると義時は承久の乱の3年後に病に倒れ、62歳で死亡する。「後妻・伊賀の方に毒殺されたという説もあり、そのほうがドラマチックではありますが(笑)。『新選組!』は近藤勇が斬首される瞬間、パッと暗闇になって終了となりましたが、今回の義時も、みんなに看取られながら布団で死ぬといった平和な終わり方はしないでしょう」(ペリー氏) 河合氏は、ラストシーンを飾るのは義時ではなく政子だと予想する。「義時が急死した後、動揺する幕府を支えたのが政子でした。政子が夫の頼朝の墓のとなりに義時を葬るシーンがラストになる可能性もあります」“予測不能エンターテインメント”で最後に笑うのは誰か。※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.19 07:00
週刊ポスト
佐藤浩市
佐藤浩市、『鎌倉殿の13人』で三谷幸喜から感じた「無言のプレッシャー」
 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で上総広常が非業の死を遂げた直後から、SNSでは「#上総介を偲ぶ会」が立ち上がり、いまだに「上総介ロス」という人もいるという。演じたのは、佐藤浩市(61才)。昨年末には歌手デビューを飾り、最新出演作である映画『20歳のソウル』も公開になるなど、60才を過ぎたいまも、新たな活動の場を広げ、注目を集め続ける佐藤に話を聞いた。【全4回の1回目】 佐藤浩市が現れると、取材場所のスタジオは一瞬にして華やかなオーラに包まれた。ソフトハットがよく似合う。ダブルのスーツの着こなしがまたダンディーで、セクシーでもあり、渋くもあり、と見とれていたら、あっという間に撮影タイムが終了。いよいよインタビューに突入した。「よろしくお願いします」と伝えると、耳に心地のよい声で「こちらこそ」と、穏やかな笑顔を向ける。円熟期を迎えた61才の大物役者はどこまでも魅力的だ。 まずは自身の放つ存在感について聞いてみた。すると腕を組んでしばし考えた後こちらの目を見据えて、「自分に存在感があるかないかなんてわかりませんね。だってそれは人が感じることだから。でも存在感のある役者を目指して頑張ってきたのかもしれないし……。とにかくそう言っていただけるのはうれしいです」と語る。驚くほど謙虚なのだが、三谷幸喜脚本による大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)でも、圧巻の存在感で視聴者の心を鷲掴みにした。「鎌倉殿」とは、鎌倉幕府初代将軍・源頼朝のこと。ドラマは主人公の北条義時(小栗旬)が頼朝(大泉洋)のほかの家臣たちとパワーゲームを繰り広げ、武士の頂点に立つまでの成長を描きながら展開していく。その中で佐藤が演じたのは、坂東随一の大豪族・上総広常(かずさ・ひろつね)だ。「もちろん実在の人物ですが、広常はこれまであまり知られていなかった。坂東随一の大豪族と聞いてピンとくるのは、よほどの歴史マニアくらいだったんじゃないでしょうか。ぼくも知らなかったんですよ。資料を読んで、『千葉県の上総という地名が名字になっているのか、だったら下総という人もいたのかな』なんて思ったくらいで。 広常という人物のキャラクターも、当時の豪族たちのヒエラルキーがどんなものだったのかといったことを想像しながら作っていったんです。三谷氏からこういうキャラでという具体的な話はなかったけれど、“濃いキャラを期待してるよ”という無言のプレッシャーはひしひしと感じていました」(佐藤・以下同) そうして誕生した広常は、べらんめぇ口調で話し、「源氏と平氏のどっちにつこうかな」と両者を弄ぶ豪快な人物。「この戦、俺がついた方が勝ちだ」と豪語するラスボス感が物語を大いに盛り上げた。 そして、注目が集まるや否や、同じく三谷脚本の大河ドラマ『新選組!』(NHK、2004年)で佐藤が演じた芹沢鴨のキャラクターと被ると話題に。そのことに触れるとニヤリと顔をほころばせ……。「確信犯ですから。三谷氏の遊び心というか、芹沢へのオマージュでしょうね。ぼくとしてはあれから18年も経つのかと、感慨深いものがありました。鴨のせりふに『ジジィは引っ込んでろ』みたいなのがあったんですけど、いまじゃこっちがジジィになっちゃって(笑い)。 といって、鴨のことは意識していませんでした。ただひたすらに、広常の生きることに対する情熱や、傲慢である半面、どこか憎めない彼の人となりを伝えたいと思って演じたんです」 狡猾である一方で、文字が書けないというコンプレックスを抱えていたり、妙におだてに弱かったりと、人間臭い広常は多くの人に愛された。 それだけに、頼朝の陰謀で殺されてしまう場面が衝撃的すぎて……。未来への希望を抱いて必死に文字の練習をしている回想シーンを観ながら号泣。つたない字で「頼朝の大願成就のためにこれから3年のうちにやるべきこと」を記した巻紙の存在が明らかになって大号泣。 SNSでも「ひどすぎる」「頼朝、大嫌い!」と、広常の非業の死を悼む声が上がった。同時に、死に際に広常が義時に向けた笑顔は何だったのだろうと多くの推測が飛び交った。「あれは『俺、間違ってたかもしんねぇ』という。彼は、学はないけど馬鹿じゃないんですよ。戦や人間関係において有利な立場に立つことに長けているわけで。だから、自分に落ち度があってこういう最期を迎えたのだと本能的に悟り、義時に『お前は俺の二の舞になるなよ』と伝えたかった。だとしたら、こういう笑顔になるんじゃないかなと自分なりに考えて演じました」 第15話をもって広常とはさようなら。“広常ロス”から立ち直るのに時間がかかりそうと伝えると、「ありがとうございます。でも『鎌倉殿の13人』は、まだまだ続きます。どんな展開になっていくのか、ぜひ、最後まで見届けてください」と、優しく微笑んだ。(第2回につづく)【プロフィール】佐藤浩市(さとう・こういち)/1960年東京都出身。1980年ドラマ『続・続事件〜月の景色〜』でデビュー。 今年は映画『20歳のソウル』(5月27日公開)のほか、映画『MIRRORLIAR FILMS Season2』内の三島有紀子監督作品『インペリアル大阪堂島出入橋』(公開日未定)、『キングダム2』(7月15日公開予定)、2023年は『仕掛人・藤枝梅安』(4月7日公開予定)も控える。取材・文/丸山あかね 撮影/森浩司※女性セブン2022年5月26日号
2022.05.15 07:00
女性セブン
小栗旬演じる北条義時(C)NHK
『鎌倉殿の13人』“義経への裏切り・追討”と“頼朝の最期”はどう描かれるのか
 放送中のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、序盤の和やかなホームドラマから一転、物語は身内で謀略が行き交う緊張の中盤にさしかかる。史実では今後、主要キャストにさらなる重大事件が待ち受ける。激動の歴史を脚本の三谷幸喜氏はどう描くのか。 第18話(5月8日放送)の「壇ノ浦の戦い」で見事平家を滅ぼした源義経(菅田将暉)だが、強すぎるがゆえに兄・源頼朝(大泉洋)に警戒され、鎌倉入りを拒まれる。 史実ではこの後、義経が後白河法皇(西田敏行)に頼朝追討の命を受けるが、法皇が義経を裏切り、逆に「義経追討」を頼朝に命ずることになる。 窮地に陥る義経の運命を三谷氏はどう描くのか。時代劇研究家のペリー荻野氏が予想する。「従来の作品では義経は“悲劇のヒーロー”として描かれるのが定番でしたが、今回の大河では義経を含めて登場人物全員がダークな面を抱えていて、そこがまた面白い。 義経は兄の義円(成河)を陥れたり、壇ノ浦でも敵の船の漕ぎ手を矢で狙い撃つ狡猾さを見せてきました。だからその死も、悲劇ではなく“因果応報”を感じさせるかも」 菅田が演じる義経は、天真爛漫なようで手段を選ばない「サイコパス感」が話題になっている。「育ての親である藤原秀衡(田中泯)の元に身を寄せた時に、戦の天才が『この生き方でよかったんだろうか』と顧みるか注目です」(ペリー氏)『吾妻鏡』に書かれていない頼朝の「死因」 義経以上にダークに描かれている今回の頼朝。彼の死因は鎌倉幕府の正史『吾妻鏡』に書かれていない、鎌倉幕府最大のミステリーだ。 その後の時代の記述から落馬説、糖尿病による病死説など諸説あるが、歴史研究家の河合敦氏は、「今作では暗殺される可能性がある」と見る。「頼朝を殺すとしたら、北条時政(坂東彌十郎)か梶原景時(中村獅童)あたりが怪しい。景時が善児(梶原善)を使って暗殺する可能性も考えられます」(河合氏) 善児といえば、頼朝と八重(新垣結衣)の間に生まれた千鶴丸を手にかけ、北条義時(小栗旬)の兄・宗時(片岡愛之助)を暗殺するなど、平然と人殺しをしてきた“不幸を呼ぶ男”。頼朝殺しの有力候補の一人だ。 一方、ペリー氏は三谷氏ならではの仰天演出もあり得ると話す。「『真田丸』(2016年放送)の時は、織田信長や明智光秀らの死がナレーションの有働由美子アナの語りのみで処理される『ナレ死』が話題になった。頼朝の死でも、視聴者が驚くようなカードを切ってくるかもしれません。 逆に病気で徐々に弱っていくみたいな、普通の死に方を見せるのもアリ。頼朝の枕元に後白河法皇の生霊が出てきたのを伏線に、いつか頼朝が死後化けて出てくる可能性もあると思います」※週刊ポスト2022年5月27日号
2022.05.15 07:00
週刊ポスト
大泉洋
結局「#鎌倉殿どうでしょう」の大泉洋、悪役でも嫌われない強み
 三谷幸喜氏による脚本で話題を集めているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。主演の小栗旬を凌ぐほどの存在感を放っているのが源頼朝を演じる大泉洋(49才)だ。SNS上には「#鎌倉殿どうでしょう」なるハッシュタグも登場。悪役でも嫌われない強みを発揮する大泉の魅力についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * このところ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)のムードが一変し、ネット上には「怖い」「重すぎる」「鬱展開」などのコメントが書き込まれています。 その理由は源頼朝(大泉洋)が、伊東祐親(浅野和之)、上総広常(佐藤浩市)、木曽義仲(青木崇高)、木曽義高(市川染五郎)、一条忠頼(前原滉)、藤内光澄(長尾卓磨)の殺害指令を次々に出し、立て続けに命を落としたから。しかも北条義時(小栗旬)や政子(小池栄子)らに止められても強行したことで、頼朝の悪さが際立ちました。 これまでの頼朝は大泉さん自身、「前半はとにかく笑えるシーンが多い」と語っていたように、女装して逃げたり、後白河法皇(西田敏行)の生き霊に絡まれたり、石橋山の戦いで敗れてボヤいたり、逃げ延びた安房で漁師の娘・亀(江口のりこ)にちょっかいを出したりなどのコミカルなシーンが目立っていました。 だからこそここに来ての非情な言動はギャップが大きく、視聴者はネット上に悲鳴のようなコメントを書き込んでいます。ただ、頼朝を演じる大泉さんは放送前から、「大泉洋の好感度は下がるだろう」と覚悟していましたが、頼朝や大泉さんを嫌うような声はほとんど挙がっていません。 視聴者は重苦しいシーンの連続に気分を沈ませながらも、むしろ「#全部大泉のせい」「#鎌倉殿どうでしょう」というハッシュタグで大泉さんをイジるようなコメントを書き込んで盛り上がっているのです。 大泉さんは、もはや嫌われるどころか、主人公の北条義時と演じる小栗旬さんを上回るほどの存在感と人気を見せていますが、この現象にはどんな背景と理由があるのでしょうか。キャスト発表時からイジられていた『鎌倉殿の13人』は、1月9日のスタート時から放送されるたびに毎週ツイッターのトレンドランキングを賑わせてきました。なかでも特に視聴者を楽しませてきたのは、「#鎌倉殿どうでしょう」のツイート。これは大泉さんの出演番組であり代名詞とも言える『水曜どうでしょう』(北海道テレビ)に引っかけたもので、ファンたちが両番組のシーンを重ねて遊んでいるのです。 たとえば第1話で女装姿のまま逃げるシーンや、敗走して逃げ惑うシーン、関東武者たちに取り入る人たらしぶりを見せたシーン、妾・亀の住む家を妻・政子が壊したシーン。これらのシーンで魅せた頼朝の表情を『水曜どうでしょう』の大泉さんと重ねて大喜利のように笑いを競っているのです。頼朝がどんなに悪い男になっても、演じる大泉さん自身がファンを通じて笑わせ続けているため、嫌われづらいのはないでしょうか。 実は「#鎌倉殿どうでしょう」は、今年1月ではなく頼朝を大泉さんが演じることを発表した昨年11月に生まれたハッシュタグ。何と放送開始前からファンたちにイジられ、楽しませていたのです。さらにさかのぼると、2016年に放送された同じ大河ドラマ『真田丸』でも大泉さんは主人公の兄・真田信幸を演じ、「#真田丸どうでしょう」というハッシュタグでつぶやかれていました。 主演の小栗さんもマスクに「全部大泉のせい」と書いて使っていたエピソードを明かすなど、撮影現場でも大泉さんへのイジリは活発。政子を演じる小池さんからも「大泉」と呼び捨てにされていますが、これらのイジリは最大限の賛辞であり、親しみと愛情の証でしょう。大泉さんは視聴者と出演者の両方から愛される、まさに「みんなの人気者」なのですが、その背景には演技へのリスペクトがあります。複雑極まりない頼朝を演じる凄み『鎌倉殿の13人』ホームページの「登場人物」に書かれた源頼朝のプロフィールは、「源氏のプリンスだったが、一族を平家に滅ぼされ流罪に。伊東家で監視され、長く孤独な生活を送ってきたため、他人には決して本心を明かさない。のちの鎌倉幕府初代将軍」。「源氏のプリンス」だけに大泉さんは脚本家の三谷幸喜さんから「雅な頼朝を演じてほしい」と言われていたそうです。また、流人として耐え忍ぶ日々を送ってきため警戒心が強く、それでいて女性からはめっぽうモテる。さらに、目的のためには手段を選ばない冷徹さがある一方で、髷の中に観音像を隠し持つ信心深さもあり……という複雑極まりない人物像なのです。 高貴であり、冷徹さもあり、コミカルさもある……そんな変幻自在の演技を評価されていることも大泉さんの強み。実際、ネット上のコメントを見ていくと、「最初イメージが全然違うと思っていましたが、今ではすっかり大泉洋=頼朝です。あの顔で冷酷さを出せるのがすごい」という声が多いことに気づかされます。 しかし、頼朝の非情な面がフィーチャーされているということは、それだけ将軍になり、さらには「死が近づいていている」ということ。『鎌倉殿の13人』というタイトル通り、頼朝の死後に行われた13人の合議制を描くドラマであり、主人公が北条義時である以上、大泉さんの登場シーンが少なくなっているのは間違いありません。 残り少なくなりつつある出番で大泉さんはどんな演技と新たな頼朝像を見せてくれるのか。また、視聴者たちはどんな「#鎌倉殿どうでしょう」ツイートをするのか。これまで以上に注目を集めることになるでしょう。ただ、菅田将暉さん演じる弟・源義経に対する仕打ちがどんなに酷いものだとしても、大泉さんはけっきょく悪役にならず、やっぱり愛情たっぷりのイジリを受けるのではないでしょうか。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2022.05.08 07:00
NEWSポストセブン
【動画】三谷幸喜 大河の脚本遅れてNHKに長い“言い訳メール”
【動画】三谷幸喜 大河の脚本遅れてNHKに長い“言い訳メール”
 物語前半のクライマックスを迎えているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。 物語が大きく動き出している中、3月ごろから脚本の完成が遅れ始めているようです。 脚本を務めるのは『新選組!』や『真田丸』などを担当したヒットメーカーの三谷幸喜氏。 NHK関係者は、「三谷さんからNHK側に、脚本の遅れに対する『言い訳メール』が届き、今後への決意が長文で綴られていたそうです。NHK側としては、“そんな長いメールを打つ暇があるなら、脚本を進めてくれよ!”という気持ちだったようです(苦笑)」と明かしています。【↑ 上の写真クリックで動画へ】
2022.04.30 16:00
NEWSポストセブン
三谷幸喜氏のネタばらしでますます楽しみに(Getty Images)
『鎌倉殿』三谷幸喜が異例のネタばらし 佐藤浩市・広常の“最期”の演出に期待
 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の脚本家を努める三谷幸喜が、朝日新聞の連載コラム「ありふれた生活」(4月14日付夕刊)で、4月17日放送回に向けた異例の予告を行なった。〈今回は、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の盛大なネタばらしです〉という注意書きのうえ、佐藤浩市演じる上総広常が、次回放送回で壮絶な最期を遂げることが予告されている。〈頼朝を助け、御家人たちの中でも存在感を示してきた広常だったが、彼のことが疎ましくなった頼朝の策謀によって、最後は抹殺される。歴史の変革期に忽然と現れ、役目を終えたら呆気なく消されてしまう。近藤勇にとっての芹沢鴨、それが広常だ〉〈次回の『鎌倉殿~』の内容は、年表風に記せば、「寿永二年閏十月。源義経、木曽義仲討伐のため近江に到着」「同十二月。上総介広常、誅殺される」となる〉 次回放送回について、あえて踏み込んだ書き方をした理由を、ベテラン芸能ライターはこう推測する。「広常の死に際については資料が残っていないため、〈この回はほぼすべて創作〉だと三谷さんは述べています。つまり、自分が作り上げた広常の最期について、相当な自信があるということでしょう」 三谷はさらに、〈登場人物がほぼ出揃う、オールスターキャスト回。クライマックスはまさに、佐藤浩市ここにあるといった感じ〉と自信を覗かせる。佐藤と言えば、三谷がはじめて大河の脚本を担った『新選組!』(2004年)で新選組初代局長・芹沢鴨を演じ、「大河ドラマ史上に残る最期」と名高い壮絶な死に際を演じた。同じキャスト、似たシチュエーションとなれば、否応なく期待が高まる。「あえて芹沢の名前をコラムで出すあたり、三谷さんも意識しているのでしょう。『新選組!』で佐藤演じる芹沢暗殺に向かったのは、山本耕史(土方)、堺雅人(山南)、藤原竜也(沖田)、山本太郎(左ノ助)という錚々たるメンバーでした。4人を相手に芹沢が大立ち回りを見せる中、床に転がった瓢箪でつまずいたところをもっとも可愛がっていた沖田に斬られるという驚きの展開でした。 今回、三谷さんはどんな死に際を佐藤・広常に用意しているのか。ちょっと退場するのが早い気がして寂しいですが、佐藤さんらしい、力強さと儚さに少しのユーモアを交えた最期を期待しています」(同前) 
2022.04.17 11:00
NEWSポストセブン
菅田将暉
『鎌倉殿の13人』で菅田将暉演じる源義経が「一味も二味も違う」と評される理由
 三谷幸喜の脚本で話題を集めているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。キャラの濃い人物が多数登場しているが、中でも注目を集めるのが菅田将暉演じる源義経だ。時代劇研究家のペリー荻野さんは従来の義経とは「一味もニ味も違う」と評する。その理由とは? * * * いよいよ本格的な源平合戦に突入してきた大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。そこで頭角を現すのが、菅田将暉演じる源義経だが、この義経はこれまでとはイメージが違って驚くことばかり。その個性を一言で言うなら、“デストロイヤー義経”だ。 源義経といえば、挙兵した兄・頼朝のところに駆けつけ、獅子奮迅の働きで、平家打倒に貢献。しかし、頼朝の怒りを買い、奥州平泉へ逃れたものの、そこで討伐される。悲劇の天才武将として知られる。八艘跳びなどアクロバティックな戦場での大活躍、恋人・静御前との純愛、弁慶ら主従との強い絆など、見せ場はたっぷり。時代劇のアイドルと言ってもいい存在だ。 大河ドラマでは、1966年『源義経』の尾上菊之助(現・菊五郎。朝ドラ『カムカムエヴリィバディ』の桃山剣之介役で注目された尾上菊之助の父)はじめ、志垣太郎、国広富之、野村宏伸、滝沢秀明、神木隆之介、大河ドラマ以外でも川野太郎、東山紀之らが多くの人の胸を熱くしてきた。 彼らに共通するのは、常に亡き父・義朝と兄を慕い、源氏の世のために命を捧げるまっすぐな若者であることだ。しかし、『鎌倉殿の13人』の義経は、一味も二味も違う。黄瀬川での頼朝との初対面では、本物かと困惑する頼朝に「兄上~」と走り寄り、大泣き。政子に「甘えていいですよ」と言われると、さっそく膝枕してもらってうっとり。経験もないのに戦には自信満々で、年長武将に対しても態度がデカい。戦に参加できないと駄々をこねたり、すねたりもする。無邪気、天真爛漫、やんちゃなこどものような愛らしささえ感じるが、その勢いでさまざまなものを破壊するのだ。 佐竹軍との戦いでは、急な斜面からの奇襲攻撃を進言し、頼朝にほめられたものの、実行する前に戦は終結。義経は怒りに任せて、土で作った敵陣の模型をぶっ壊す。政子による「後妻(うわなり)打ち」の際には、頼朝の妾の亀の家をほんの少し壊すはずが、完全に破壊して見せる。文字通りのデストロイヤー。 さらに文武両道で優秀な兄弟・義円を陥れて戦に向かわせ、結果、義円は戦死。兄弟関係をも壊してしまう。ダークな一面も見えてきた。  13話では、肝心な時に前夜、初めて出会った娘・里(三浦透子)と朝寝をして、義時らに置いてきぼりされる。おいおい、純愛キャラじゃなかったの!? 今後、平家との激戦では、義経はそれまでタブーとされていた戦法で激戦を制したともいわれる。戦のやり方までも壊すことになるのか…。義経は、鞍馬山の天狗に兵法を授けられたとの伝説があるし、平家が滅んだあとは、「日本一の大天狗」と言われた策謀家の後白河法皇(西田敏行)とも関わるはず。W天狗に影響され、人間離れした姿を見せるとすれば、もはや天狗と人間の垣根も壊してますな。 感心するのは、菅田将暉はこんなニュータイプの義経にぴったりだということ。さすが、「あて書き」と言われる三谷幸喜作品だ。時代の改革者、挑戦者として軽やかに既成イメージを壊しながら、義経の切なさ、辛さを見せつけられたら、もう大変。今から心がざわつく。
2022.04.14 16:00
NEWSポストセブン
(c)NHK 町田演じる今井兼平は木曽義仲(青木崇高)の側近。源頼朝のライバルである義仲に従い、各地を転戦し、そばで支える。
『鎌倉殿の13人』で“三谷組”初参加の俳優・町田悠宇が大抜擢されるまで
決死の覚悟で髷を切る演技で、トレンド上位に 物語も中盤にさしかかり、いよいよ緊迫感が高まっているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。人気脚本家・三谷幸喜氏が描く“武士の時代”黎明期を生きる人々の熱い生きざまが、放映のたびに大きな反響を呼んでいる。主演の小栗旬をはじめ、キャストはほぼ“三谷組”と言われる常連俳優たち。その中にあって初登場となり注目されている俳優が、4月2日放送の第13回から出演している今井兼平役の町田悠宇(33)だ。木曽義仲(青木崇高・42)の側で忠義を尽くす無骨な武士を体現している。 町田悠宇といえば、昨年のNHK大河ドラマ『青天を衝け』の断髪シーンが話題になった水戸藩士・菊池平八郎を演じた役者、といえばわかる人も多いだろう。ヨーロッパへ渡った渋沢栄一(吉沢亮)らが、洋装に合わせるためむしろ嬉々として髷を落とすのに対し、菊地は“辞世の句”まで詠み、まるで切腹のような悲壮な覚悟で髷を落とす。その熱演はネットでも大きな反響を呼んだ。 そして、『鎌倉殿の13人』では木曽義仲の側近、今井兼平を演じている。義仲との絆や武士としての誇りを体現する逸話も多く、歴史マニアの間でも人気が高いので、登場シーンを心待ちにしている人も多いだろう。 大河ドラマで2クール続けて、“武士の中の武士”役に抜擢された町田悠宇とは、いったいどんな俳優なのだろうか。町田がインタビューに応えてくれた。前職は「航空整備士」。運命を変えたシンガポール出向の辞令 町田悠宇は福岡県出身で、前職はなんと航空整備士。子供の頃から飛行機が大好きで、整備士は憧れの職業だったが、ある時シンガポールへの転勤を命じられたことで離職を決意する。「山育ちの田舎者なので、大きな変化が苦手なんです(苦笑)。やりがいのある仕事だったので辞める時は悩みましたが、外国に住むなんて、当時は考えられなかった。あの辞令がなかったら、今でも九州で整備士をしていたと思います」(以下カッコ内、町田) 無職となり、「自分は何がやりたいか」と考えた時に浮かんだのが、芸能界への挑戦だった。整備士とは180度違う世界への転身宣言に周囲は驚いたが、「今思うと、会社員時代も、忘年会や結婚式の余興でめちゃめちゃ張り切って盛りあげていました。人を楽しませることが根本的に好きだったんですね。そういうことを仕事にできたらいいな、というふんわりした動機でした」 芸能界に何の伝手もないので、とりあえず知り合いだったモデル事務所の社長に相談した。それがきっかけで、モデル事務所に所属。だがモデルの仕事を与えられると思っていた彼に命じられたのは、モデルのスカウトだった。「びっくりしましたが、まあいっかと思って」、スカウト業に懸命に取り組んだことが、結果的に俳優としての基盤を作ることになる。彼がスカウトした男性モデルに仕事がないことに責任を感じ、演劇ユニット「TEAM LOCO(チームロコ)」を結成することになったのだ。とはいえ、「僕をはじめ、演劇経験どころかろくにお芝居を見たこともないメンバーばかり。『演劇ってどこでやればいいんや?』というところから始めました(笑い)」 お客を集めるためにワンドリンク付きにしてライブハウスで公演したこともある。お芝居の最中でも平気で席をたってドリンクバーへ行く会場のお客たち。コップに氷を入れる音でセリフが消されてしまう、なんてこともあった。 後に町田が出演する映画『ロックンロール・ストリップ』(2020年公開、監督/木下半太)は、ストリップ劇場でコントをする売れない劇団員たちの姿を描いた物語。「まさにあの映画の中の世界です。僕が同じ苦労を経験していたから、あの役をもらえたんだと思います」。 試行錯誤を繰り返しながら公演を重ねるごとに、地元では知られる存在となった。NHK福岡のテレビドラマや地元のCMなどにも出演するようになったが、彼の中では誰かに演劇の指導を受けることもなく、自己流のまま突き進んでいることへの不安が高まっていったという。「このまま福岡で同じことを続けていても、成長も発展もない。芝居をアップデートするために、東京でチャレンジしてみたいという気持ちが抑えきれなくなったんです」。“大河ショック”で芽生えた「俺は勝つ」という武士のような決意 2020年に入ってすぐ上京すると、そのタイミングでほどなく世の中はコロナ禍に見舞われる。中止や延期になってしまった仕事もあった。そんな中、2020年11月に東京芸術劇場 シアターイーストで上演された舞台『投げられやすい石』に出演。それを観たNHKのプロデューサーが声をかけてくれたことから、大河ドラマの出演につながったのだ。 役者にとっては夢のような状況だが、その栄光に酔う余裕は全くなかった。「それまでやってきた世界とは、撮影のスケールが違い過ぎて…・・・。すべてが初めての初めてで、それまで味わったことのないいろんな感情が湧き起こりました」 その中で彼を支えたのが、「俺は負けない!」「不必要な感情は捨てる」という決意だった。その気概が、江戸末期に侍としてフランスに渡り、西洋のカルチャーショックを浴びつつも侍としての誇りを見失うまいとした水戸藩士・菊池平八郎と重なり、あの気迫の演技につながったのかもしれない。 また町田はこの作品に出演したことで、第一線で活躍している役者の演技の“凄み”を知ることができたとも語る。「『青天を衝け』の撮影で一番印象に残っているのは、吉沢亮さんと見つめ合ったシーンです。彼の目力がとにかく凄くて、彼の芝居のパワーに引っ張られるように、僕の中の感情も大きく動いたんです。大河ドラマの主演が背負っているものを突き付けられたような体験でした」“三谷組”初参加のプレッシャーにスタジオ前で怯んでしまったクランクイン 無我夢中で取り組んで見事に演じきった初・大河ドラマだったが、『鎌倉殿の13人』は“三谷組”と呼ばれるトップの常連俳優たちが勢揃い。その中にいきなり放り込まれることに、プレッシャーはなかったのか。「たぶん大ありでした(笑い)。クランクインの日、スタジオの駐車場に着いて車を降りようとした時、どこかふわついてる感じがして。このまま行くのはよくないなって思いなぜか、習っているキックボクシングの先生マイク・ジョーさん(第4代Bigbangスーパー・ウェルター級王者)に電話して、『ジョーさん、今自分こういう状況でフワついた感じで、もしかしたら怯んでるっぽいんですけど、どうしたらいいっすか?』って意味不明のヘルプを出したんですよ(笑い)。朝っぱからからいきなりそんなことを言われたジョーさんも、びっくりしたと思いますけど(笑い)」 その時のマイク・ジョーさんのアドバイスはごくシンプル。「『町田さん、チャイスーですよ』って言われたんです。ムエタイの基本ともいわれる言葉で、 “折れない心、己に克つ”という意味。その言葉で、そうだ、これは自分との闘いなんだ、と気づくことができました」 そのようにして迎えたクランクインだが、“三谷組”の役者は驚くほど人間性の大きい人ばかりだったという。だれもが構えずリラックスして演技に取り組んでいるように見えるが、馴れあいの雰囲気は皆無。そして役に対するアプローチは貪欲そのもので、誰もが譲れないものを持っている。「なんて言うか、プロフェッショナルの現場はゾクゾクしますね(笑い)」 演技面でも影響を受けたのか、と問いかけたところ、即座に否定された。「どうセリフを言うかとか、どう動くかとか、そういうことを超越した方ばかりなんです。生き方の積み重ねが演技ににじみ出ているような・・・・・。カメラの前じゃないところでたわいもない雑談をしているだけでも、そこに夢やロマンが感じられるというか。 控室で小栗さんとほんとうに普通の世間話をしているだけなんですが、パワーをもらって気持ちが高揚するんです。話し終わった後に、毎回思わずウォー!と叫びたくなるくらい。それでいて包み込まれるような包容力もあって・・・・・・、一言で言うと、むちゃくちゃカッコいい(笑い)。漠然としてるんですが、生き様のスケールがあの雰囲気に繋がるんだろうなあ」「自分をどこまでスケールアップできるか」を追求したい そんな俳優たちの姿に触れて、役者であると同時にどう日々を積み重ねていくかが大事になると感じたという。「経験上、心穏やかな状態の時ほど、勝負事は上手くいくんですよね」 今後、どんな役を演じてみたいか尋ねると、「どんな役でも、『町田にこの役をやらせてみたい』と思ってくださった方の期待以上のものを出したい。映画作品としては、個人的には韓国映画のバイオレンスものが好きなんです。何か独特のトーン、色味にすごく惹かれます。時代劇は所作やたたずまい、殺陣を追求することで、役の説得力に繋がる。それを日頃から磨いていきたい。そして、そうですね、モンゴルとか、日本じゃない国での時代劇にも取り組んでみたいです」 かつて、シンガポールへの転勤辞令で職を辞したほど「環境の変化が苦手」だった彼が、今では貪欲に変化を求めている。「本当にブレブレですよね(笑い)。自分をこれからいかにして大きくしていけるか、どこまで大きくできるか。それを追求していきたいです」 眼光鋭いのに驚くほど腰が低く、まさに武士のような佇まいの町田。第14回(4月10日放送)以降の出演シーンにも期待が高まる。 (c)NHK 大河ドラマ『鎌倉殿の13人』日曜日=地上波・午後8時、BS・午後6時(再放送 土曜日=地上波・午後1時05分)。三谷幸喜が贈る予測不能エンターテインメント! 平家隆盛の世、北条義時(小栗旬)は伊豆の弱小豪族の次男坊に過ぎなかった。だが流罪人・源頼朝(大泉洋)と姉・政子(小池栄子)の結婚をきっかけに、運命の歯車は周り始める。写真は義仲と兼平。 写真6枚 【プロフィール】町田悠宇(まちだ・ゆう)1988年8月9日生まれ、福岡県出身。身長184cm。モデル・俳優。福岡の演劇チーム・TEAM LOCOを立ち上げ、映画『めんたいぴりり』や『ロックンロール・ストリップ』、舞台『投げられやすい石』などに出演。NHK大河ドラマ『青天を衝け』(2021年)、『鎌倉殿の13人』(2022年)に出演。取材・文/桑原恵美子、撮影/横田紋子、スタイリスト/上野健太郎、ヘアメイク/山口朋子
2022.04.09 07:00
NEWSポストセブン
女優・小池栄子はいかにして生まれたか(時事通信フォト)
大河、小池栄子VS江口のりこで「亀の前事件」 三谷幸喜が“女のバトル”押し出す狙い
 放送開始から何かと話題になっている三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。前回の放送で、歴史に残る正妻と妾のバトル「亀の前事件」が予告されネットでは話題沸騰。三谷氏はどんな脚本を書くのか? そして“女のバトル”を押し出す狙いとは? コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。 * * * 27日に放送される大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)第12話のタイトルは「亀の前事件」。これは源頼朝(大泉洋)の正室・北条政子(小池栄子)と愛妾・亀(江口のりこ)の騒動であり、次週予告でタイトルが発表されたとき、ネット上が沸きました。 その理由は、中世が舞台の大河ドラマで「女の戦い」をここまでフィーチャーするのは異例だから。亀の前事件は、ナレーションで済ませるか、あるいはスルー。扱うとしても、ワンシーン程度がスタンダードなところでしょう。 しかし、脚本家の三谷幸喜さんは大切な1話の多くを使い、タイトルにするくらいしっかり扱うことを選びました。ちなみにこのとき、主人公の北条義時(小栗旬)は基本的に蚊帳の外。ところが「歴史上の大きな出来事をじっくり描いてほしい」という傾向が強い大河ドラマファンを怒らせるどころか、期待の声が挙がっていることに驚かされます。 なぜ「亀の前事件」はここまでフィーチャーされ、どんな見どころがあるのでしょうか。中世も令和も変わらない嫉妬と怒り 第12話の予告映像は、「頼朝の浮気がバレた」というナレーションからスタート。妊娠中に発覚したこともあって北条政子は、「許せない。あの薄い顔の女ね」「このままでは腹の虫がおさまりません」と鬼の形相を見せています。さらに家の焼け跡を見た頼朝が、「ここまでするか?」と驚く様子や、継母・りく(宮沢りえ)の「とがめるべきは、夫のふしだら!」と火に油を注ぐようなシーンなどもありました。 浮気に対する嫉妬や怒り、夫より相手の女に向けられる強烈な嫌悪。「妻が妊娠中の浮気」というシチュエーションも含めて、中世も令和の今も変わらないところがあるだけに、三谷さんにとっては「面白い人間ドラマを見せる上でおいしい事件」なのでしょう。また、三谷さんが「原作のつもりで書いている」と語る『吾妻鏡』に「亀の前事件」が書かれていたことが、これほどフィーチャーされるベースになっています。 ここまで三谷さんは、「中世の言葉では視聴者が理解しづらい」という観点から、あえてわかりやすい現在の言葉でセリフを書いてきました。「亀の前事件」は現在の言葉を使うことで、より政子たちの感情が視聴者に伝わりやすいシーンになるため、盛り上がりが期待できそうです。 さらに、その当事者を小池栄子さん、江口のりこさん、宮沢りえさんが演じることも「亀の前事件」をこれほどフィーチャーする理由の1つでしょう。名女優たちがこの騒動をどう演じるのか。歴史マニアの三谷さんが、彼女たちをイメージして楽しみながらあて書きしている姿が浮かんでくるようです。女性の登場人物を軽視しない三谷幸喜 第12話では、前回のラストシーンで父・伊東祐親(浅野和之)と兄・祐清(竹財輝之助)を愛する頼朝に殺された前妻・八重(新垣結衣)の切ない心情も描かれます。さらに義時の妹・実衣(宮澤エマ)の人生にも動きがあるなど、やはり『鎌倉殿の13人』は「女性たちの物語もしっかり描く」というスタンスなのでしょう。三谷さんは2016年の大河ドラマ『真田丸』でも、戦国時代が舞台の作品でありながら、主人公・真田信繁(堺雅人)の母・薫(高畑淳子)、祖母・とり(草笛光子)、姉・松(木村佳乃)、信繁を慕うきり(長澤まさみ)、兄・信之(大泉洋)の妻・こう(長野里美)と稲(吉田羊)など、女性の登場人物を軽視せず、その生き様をしっかり描いて女性視聴者の支持を集めた実績があります。 このようなスタンスは女性視聴者の共感を集められる上に、他の大河ドラマとの差別にもなりうるもの。また、本編から切り離して楽しめるエピソードだけに、1年間放送される長丁場の大河ドラマにおけるアクセントになります。 これは裏を返せば、三谷さんが思い切り自由に書けるということ。史実をベースにしつつ、どんなセリフと描写を手がけ、それに小池さんら女優陣が応えるのか。戦のシーンと同等以上に期待してもいいのではないでしょうか。『鎌倉殿の13人』はこれまで何度となくツイッターの世界トレンド1位を獲得したほか、ランキングを席巻してきましたが、今回の放送でも期待大。番組名を筆頭に、どんなフレーズが上位にランクインするのか。「亀の前事件」を楽しみながら、チラチラとランキングを見るのも楽しそうです。【木村隆志】コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月30本前後のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演し、番組への情報提供も行っている。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。
2022.03.27 07:00
NEWSポストセブン
主人公・北条義時を演じる小栗旬(時事通信フォト)
『鎌倉殿の13人』未発表キャスト「絶世美女」「宿敵」役に挙がる本命俳優
 NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』が好調だ。1月23日放送の第3回の視聴率は前回比1.5%アップの16.2%。物語はまだまだ序盤だが、熱心な視聴者たちは“ある話題”で盛り上がっている。「現時点での未発表キャストの予想です。大河ドラマ恒例のお楽しみですが、今回は複数の重要キャラの配役が未発表。ドラマのチーフプロデューサーも『あっと驚くキャストが控えている』と公言しており、注目度は高い」(芸能誌記者) まずはタイトルにもなっている『13人』の家臣団のうち、頼朝の側近を務める中原親能など4人の未発表キャストについて。ドラマ評論家の田幸和歌子氏が語る。「脚本の三谷幸喜氏が過去に手がけた大河ドラマ『新選組!』(2004年)で主演を務めた香取慎吾(45)が有力候補です。昨年の大河『青天を衝け』で同じ元SMAPの草なぎ剛(47)が出演し、好評を得たことも後押しするはず。また、三谷作品の常連である筒井道隆(50)や小日向文世(68)も可能性はあるでしょう」 菅田将暉(28)演じる源義経の相手役、静御前の配役にも注目が集まる。 愛する義経のために舞を披露したことが有名な、絶世の美女という役どころで、SNSでは浜辺美波(21)や永野芽郁(22)の名前が挙がるなか、田幸氏はこう話す。「個人的な予想ですが、本命は土屋太鳳(26)だと思います。朝ドラ『まれ』(2015年)で主演を務めており、日本女子体育大学で舞踊学を専攻していた。2016年の紅白歌合戦では裸足でキレのあるダンスを披露していますし、舞の得意な美女という設定にハマります」 小栗旬(39)演じる主人公・北条義時と承久の乱で対立する後鳥羽上皇のキャストには大物俳優が予想される。「後鳥羽上皇は北条家にとっての最大の敵。三谷脚本の大河『真田丸』(2016年)で主演を務めた堺雅人(48)が演じれば話題性は抜群でしょう。ただ、私の見立てでは野村萬斎(55)なのではないかと。『鎌倉殿』では坂東彌十郎(65)や片岡愛之助(49)などの歌舞伎役者が多くキャスティングされ、好演で評価されています。同じ伝統芸能枠として野村さんは収まりがいい」(田幸氏) 主役を食う脇役たちが、出番を待っている。※週刊ポスト2022年2月11日号
2022.01.31 07:00
週刊ポスト
気になる八重の今後は?(c)NHK
『鎌倉殿の13人』新垣結衣演じる八重は、笑顔を取り戻せるのか
 三谷幸喜脚本のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で、“ガッキー”こと新垣結衣が演じる八重。第2回までに、思い慕っていた源頼朝や、その間にできた子と強引に引き離される悲しい運命が描かれた。今後、ガッキー演じる八重はドラマのなかでどう生きていくのか。『鎌倉殿と呪術 怨霊と怪異の幕府成立史』(ワニブックス)という著書もある歴史作家の島崎晋氏が予測する。 * * * 今年度のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送が始まった。主人公は鎌倉幕府初期の立役者で、源頼朝の義弟でもある北条義時(小栗旬)。やがて義時が直面する承久の乱(1221)は、“朝敵”とされた者が官軍に勝利した日本史上唯一の例で、武士の時代の本格化を象徴する画期的な出来事でもあった。 歴史を語る上で、ドラマが描くこの時代の魅力とは何か。武器と言えば弓矢と刀剣くらいしかない、この頃の合戦には牧歌的な雰囲気が色濃く残る。儒教道徳に染まる前の武士は無作法に見えるかもしれないが、野性味に溢れるその生き様からは郷愁さえ感じられる。 それに加え、早くから語り物として愛され、現在も読み継がれている『平家物語』や『曾我物語』などの影響もあって、平安時代末から鎌倉時代初期のこの時代は、(戦国時代の終盤には一歩譲るにしても)多くの人を惹きつけてやまないのだろう。首都圏在住の人間にしてみれば、日帰りで行ける鎌倉やその周辺に、ドラマゆかりの地が集中しているのもありがたい。 脚本が稀代のヒットメーカーにして、大河ドラマでも『新撰組!』『真田丸』とすでに二度経験済みの三谷幸喜なら、観る側も安心していられる。出だしを見る限り、期待通りのコメディ要素満載で、今後の展開が楽しみでならない。 思い入れしたくなる登場人物は多いが、そのなかでももっとも気になるのは、やはり源頼朝(大泉洋)との関係を裂かれたうえ、可愛い幼男児を殺されてしまった八重(新垣結衣)の今後である。  八重は頼朝の監視役であった伊東祐親(浅野和之)の娘だが、実のところ八重の名はどの古文献にも見られず、出どころは地元の伝承である。 伝承の中心は伊東氏や北条氏の本拠地のあった伊豆半島北部で、静岡県伊豆の国市中條にある真珠院という寺院の境内には、八重を祀る八重姫御堂(静堂)という御堂がある。 自治体による説明書きによれば、八重は源頼朝と引き離されてから、父・祐親の命により軟禁状態に置かれていた。悶々とした日々を送るなか、治承4年(1180)7月16日、ついに意を決し、6人の侍女とともに脱走して、源頼朝のいる北条館へ向かった。 ところが、当時の頼朝は北条政子と相思相愛の状況にあり、それをよく知る北条館の門衛は、八重を頑として通さず、取り次ぎさえも拒んだ。絶望に打ちひしがれた八重は近くの真珠ケ淵に身を投じ、6人の侍女たちもそれに殉じた。土地の住民が彼女らを不憫に思い、弔いのために御堂を建立した──。 だがこれはあくまでも伝承で、われらがガッキー演じる八重をこんなに早くドラマから退場させてはいけない。実際のところ、八重に該当する女性は頼朝と別れさせられたあと、北条氏と領地を接する江間次郎と再婚した。今回のドラマでは、伊東祐親の家人という設定の江間次郎(芹澤興人)がそれである。 八重が江間次郎に愛情を抱くことはなく、床をともにすることさえなかったのか、子もできずにいたところで、1180年には源頼朝の挙兵、敗走、巻き返しと大きな出来事が続き、あくまで平家方についた伊東祐親は幽閉中に自害。江間次郎は釈放された伊東清親(竹財輝之助)とともに西へ走り、平家の味方として戦いを続けたが、北陸戦線で討死した。 ドラマの時代考証担う専門家の仮説 八重はいったいどうなったのか。これについて史料は一切語らないが、ありがたいことに、今回のドラマで時代考証の筆頭を務めている坂井孝一氏がその著書『鎌倉殿と執権北条氏 義時はいかに朝廷を乗り越えたか』(NHK出版新書)で、断片的な状況証拠から、大胆な仮説を提示してくれている。 氏の仮説の結論だけを述べれば、八重は同母姉の夫である三浦義澄(佐藤B作)に預けられたのち、「阿波局」という呼び名で、頼朝の御所で官女として働き出す。頼朝としては北条政子の手前、妾にすることはできないが、いつまでも近くに置いた。誰かの妻にすれば政子も安心するだろうと考え、江間氏の所領を受け継いだ北条義時と再婚させた。そうした生まれた男子が、義時の後継者となる北条泰時——。 確かに大胆な仮説だが、非常に面白く、ドラマの落としどころにも適しているのではないか。三谷氏がこの説にのっとってくれれば、悲しみの淵に叩き落されたガッキー八重が、真の笑顔を取り戻してくれる。そう切に願いたい。 北条氏の元来の所領と江間氏の所領は狩野川をはさんで隣接しており、現在、江間公園となっている場所が、北条義時の屋敷跡だったとされている。そこから一本西の道には北条義時夫妻の眠る北條寺があるが、ここに眠る妻は八重ではなく、三度目の結婚相手のようである。 八重がどこに眠るかという詮索はよしておこう。『鎌倉殿の13人』はまだ始まったばかり。主人公である義時の成長も気になるが、ガッキー八重からも目が離せない。【プロフィール】しまざき・すすむ/1963年、東京生まれ。歴史作家。立教大学文学部史学科卒。旅行代理店勤務、歴史雑誌の編集を経て現在は作家として活動している。『ざんねんな日本史』(小学館新書)、『いっきにわかる! 世界史のミカタ』(辰巳出版)など著書多数。最新刊に『鎌倉殿と呪術 怨霊と怪異の幕府成立史』(ワニブックス)がある。 
2022.01.23 19:00
NEWSポストセブン
三谷幸喜氏のネタばらしでますます楽しみに(Getty Images)
『鎌倉殿の13人』も期待 “三谷幸喜の大河”3作の共通点は
「首チョンパ」「ゾッコン」「平家をぶっ潰すぜ!」──今年のNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、スタート早々こんなセリフで話題となった。鎌倉幕府成立前後の中世日本が舞台だが、登場人物たちは生き生きと時代劇らしからぬ言葉を口にする。それもそのはず、脚本を手掛けているのは三谷幸喜。『真田丸』以来となる“三谷大河”の見どころを探った。 1月9日から放送開始した『鎌倉殿の13人』は、俳優の小栗旬が演じる北条義時を主人公に、鎌倉幕府誕生の過程から初代将軍・源頼朝(大泉洋)の死後に繰り広げられる権力争いまでを描く大河ドラマ。初回の平均世帯視聴率が17.3%と好発進を切ると、16日に放送された第2回でも14.7%を記録。同時間帯の番組の中では2週連続でトップを記録した。 とりわけ反響を呼んだのがユニークなセリフ回しだ。第1回の放送で義時の父・北条時政(坂東彌十郎)の口から「(平将門は)最後は首チョンパじゃねえか!」というセリフが飛び出すと、ネット上は大盛り上がり。Twitterで「首チョンパ」がトレンド入りを果たし、視聴者からは「面白すぎる」「さすがに笑った」「最高」「テンポ良くて飽きない」といった声が相次いだ。 コミカルなシーンを小気味よく取り入れた『鎌倉殿の13人』の脚本を手がける三谷幸喜といえば、これまでも『新選組!』(2004年)や『真田丸』(2016年)で大河ドラマの脚本を務め、時代劇の“マナー”を時に逸脱するようなユニークな台詞や演出が話題を集めてきた。 三谷脚本の巧みさについて、『テレビドラマクロニクル 1990→2020』(PLANETS)の著書があるドラマ評論家の成馬零一氏はこのように指摘する。「平安末期から鎌倉前期という、大河ドラマではあまり描かれていなかった時代を北条家の視点から描くという難題を、三谷幸喜がどうクリアするのか楽しみです。『首チョンパ』という言葉まで飛び出すくだけた会話劇は、馴染みのない時代を視聴者にわかりやすく伝えるための戦略だろうと思います」 成馬氏によれば「ホームドラマがいつの間にか血なまぐさい展開になる」点が“三谷大河”の一つの特徴だという。「コミカルなお話に和んでいると、いつの間にか陰惨な殺し合いに変わっているというのが、三谷大河の特徴です。前半のホームドラマ的展開が楽しければ楽しいほど、後半はショッキングな展開となるはずなので、序盤の楽しい世界を堪能しておくと、より楽しめるはずです」(成馬氏) 実際に2004年に放送された『新選組!』では、序盤はコミカルなシーンが多数あったものの、主要登場人物たちが次々に死んでいき、最後は主人公・近藤勇(香取慎吾)の処刑も描かれた。2016年放送の『真田丸』でも、お茶の間の笑いを誘う演出がありつつ、物語が進むにつれて裏切りや騙し合いが繰り広げられていった。 成馬氏はさらに、『鎌倉殿の13人』の女優陣にも注目する。「長澤まさみの『語り』を筆頭に、新垣結衣、宮沢りえと出演女優がとても豪華です。どの女性も少し性格にクセがあるのが魅力的で、こういう芝居を見たかったと思わせてくれます。中でも良かったのが、北条政子を演じる小池栄子と義時の妹・実衣を演じる宮澤エマ。三谷ドラマは主役でない人が話を重ねるごとに存在感が大きくなっていくことが多いので、この二人がどうなっていくのか注目しています」(成馬氏) 視聴者を惹きつけるくだけた現代語のセリフ回しは、三谷脚本のほんの入り口にすぎない。ストーリーも出演者の存在感も、今後の展開に注目だ。◆取材・文/細田成嗣(HEW)
2022.01.23 11:00
NEWSポストセブン
小栗の誕生日にサプライズが・・
好スタート『鎌倉殿の13人』の現場で悲しい別れ“名脇役”の馬が急死
 1月9日にスタートしたNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。三谷幸喜(60才)が脚本を担当する同作は、第1話の平均世帯視聴率(関東地区)は17.3%、第2話も14.7%と、好調なスタートを切ったが、昨年末には、キャストやスタッフが悲しみに包まれたこともあったという。「18年以上、数々の大河ドラマに出演してきた馬のスピンが、11月末に急死したんです。小栗さんも乗ったことのある馬で、ひどくショックを受けているようでした」(NHK関係者)『鎌倉殿の13人』では、乗馬を得意とする東国武士たちが激しい騎馬戦を繰り広げるため、馬の演技はなくてはならないものだ。スピンをはじめ多くの馬を育成し、役者への馬術指導を行う山梨県北杜市の乗馬クラブ「ラングラーランチ」代表の田中光法さんは、悲しみをこらえながらこう語る。「馬のなかでもスピンは名優中の名優。ここぞというときはスピン、というくらいの絶対的エースでした。これまでの大河ドラマでも大活躍し、『真田丸』では堺雅人さん(48才)が、『功名が辻』では仲間由紀恵さん(42才)が乗りました。俳優さんと役馬が心を通わせていなければ、いい乗馬シーンは撮れませんし、時には危険が伴う場面もある。お互いに信頼を寄せ合う親友のような関係なんです」 通常のドラマと比べ、大河ドラマは撮影期間も長く、国民的な作品だけあってプレッシャーも大きい。その分、いちばん近くで支えてくれた馬への思いも強くなるようだ。「昨年は仲間さんが久しぶりにスピンに会いに来られました。夏には堺さんも来てくれて……。最後におふたりに会うことができて、スピンもうれしかったと思います」(田中さん) スピンは25才で、人間でいえば70才過ぎだが、体は若々しく、まだまだ現役で頑張っていたという。「馬の死因としては疝痛といって便秘によるものが多いのですが、それほど痛がってもいなかったので、獣医さんに投薬してもらったうえで様子を見ていたんです。ぼくはほとんど寝ずに看病していたので、夜9時頃、状態が落ち着いているのを見計らって、仮眠を取りました。ところが2時間ほど後に様子を見に行ったら、もう心臓が止まっていて……。本当に手間をかけない馬でした。 スピンはぼくにとって特別な存在だったので、撮影の仕事を辞めてしまおうかと思うくらい落ち込んでしまいました」(田中さん) スピンは『鎌倉殿の13人』にも出演している。第1話の冒頭シーンで、小栗演じる義時の馬を猛スピードで追いつめる難しい演技を見せていた“名脇役”がスピンだった。「スピンが死んだのは『鎌倉殿の13人』の年内撮影がひと段落したタイミング。きっと、迷惑をかけないようにと思ったのでしょうね。本当にみんなから愛された馬でした」(田中さん)※女性セブン2022年2月3日号
2022.01.23 07:00
女性セブン
三谷
三谷幸喜の代わりに芸人登場 大河の現場で小栗旬驚く誕生日サプライズ
 小栗旬(39才)演じる主人公・北条義時が、女人を後ろに乗せ、馬を全力で走らせる。その背中に向けて、後を追う騎馬武者たちが容赦なく矢を放ち続ける──。 1月9日、迫力満点のシーンで始まったNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。1話のラストでは、義時の後ろに乗っているのが女装した源頼朝(大泉洋・48才)で、敵の手から逃げるために疾走していることが明かされる。 こうした伏線のある展開や、時に、大河らしからぬユーモアを交えた脚本は、三谷幸喜(60才)によるもの。第1話の平均世帯視聴率(関東地区)は17.3%、第2話も14.7%と、好調なスタートを切った。 頼朝は東国武士団をまとめて平家一門を打ち破り、鎌倉幕府を開くが、絶頂のさなかに謎の死を遂げる。タイトルの『13人』とは頼朝亡き後に合議制で幕府を動かした家臣の数。そのなかで、激しい権力闘争を勝ち抜いていくのが主人公の義時だ。 キャストも豪華で、後白河法皇役として西田敏行(74才)、平清盛役として松平健(68才)が出演。結婚後初のドラマ出演となる新垣結衣(33才)は頼朝の最初の妻である八重役を演じ、北条政子役を小池栄子(41才)が、義時の継母・りく役を宮沢りえ(48才)が演じる。   NHKでも働き方改革が進み、撮影が早く終わることも少なくないというが、現場にはピリリとした空気が流れているという。「撮影の雰囲気自体は穏やかなのですが、とにかく三谷さんの本(脚本)が遅いので、大掛かりなセットを組むスタッフは、事前準備がなかなかできず、てんてこまいなんです」(大河ドラマ関係者) そんな状況を肌で感じているのか、12月26日の小栗の誕生日に、三谷はある“奇策”に出たという。 撮影スタッフの1人が興奮気味に語る。「撮影後、セットのなかにものすごい量のスモークがたかれたんです」 白い煙が立ち込めるなか、しばらくすると、ある男性にスポットがあてられた。「その男性がスモークのなかから『旬、誕生日おめでとう!』とメッセージを読み上げたんです。声も仕草も三谷さんそのものだったので、誰もが本人によるサプライズだと思って、そのバースデーメッセージに静かに耳を傾けていたら、どんどんスモークが薄くなっていって…。 なんと姿を現したのは、三谷さんのモノマネをするお笑い芸人のユリオカ超特Qさん(53才)だった。これには小栗さんも大笑いでした」(前出・大河ドラマ関係者)   気になるのは、三谷が現れなかった理由だが──。「台本がなかなか書き上がらないため、みんなに合わせる顏がないと言って“逃亡”したのだとか(笑い)」(ドラマ制作スタッフ)※女性セブン2022年2月3日号
2022.01.19 16:00
女性セブン
小池栄子は作中では女房役
『鎌倉殿の13人』小池栄子の代表作へ 江口のりことのバトルにも期待
 小栗旬(39才)が北条義時役で主演を務めるNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。三谷幸喜ワールド全開の脚本でも注目を集めている。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが注目するのは、義時の姉・政子を演じる小池栄子(41才)だ。ペリーさんが小池の演技と今後の見どころについて解説する。 * * *「三谷幸喜が贈る予想不能エンターテインメント!」ということで、さっそく面白シーンも満載の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。 主人公の北条義時(小栗旬)は、美人の新妻(宮沢りえ)にデレデレの父上・時政(坂東彌十郎)や何かというと「兵を挙げる!!」と鼻息の荒い兄・宗時(片岡愛之助)、匿ってもらってるのにわがままばかりいう佐殿こと源頼朝(大泉洋)に振り回される。 大河ドラマ史上、もっとも腰が引けてる主役。そんな中、女性陣で目立っているのが、義時の姉・政子(小池栄子)である。頼朝を一目見て、その雅な雰囲気にすっかり夢中になった政子は、急接近。妙にしなをつくって、ラブ光線を発射する。 二話では、頼朝に「鯵でございます」と食事を運び、小骨が嫌いだという頼朝に「小骨は抜いておきました」とさらに距離を詰めていく。化粧に目覚めた彼女の顔は、眉毛を黒々と描いて、紅もバッチリ。「やっと現れたのよ、私が一生をささげたいと思う殿方が!!」と目を輝かせる。これがミュージカルだったら、一曲歌いだしそうなくらいだが、相手役がどこかとぼけた調子の大泉頼朝だけに、コントみたいでもある。「私なりに佐殿をお支えしとうございます」と宣言した政子は、意を決して頼朝の前妻・八重(新垣結衣)に会いに行く。女のバトル一回戦。それだけでもすごい行動力だが、政子の実力はこんなもんじゃない。 やがて頼朝と結婚した政子は、女好きの頼朝の行動にも目を光らせる。よく語られる逸話では、「亀の前事件」が有名だ。政子は頼朝に亀という愛妾がいることに激怒。その屋敷を破壊させてというのである。怒鳴りこむとか別れさせるというのではなく、破壊。なかなかにすさまじい。だが、このドラマの亀を演じるのは、江口のりこ。政子にやられっぱなしの亀とも思えない。この女のバトル二回戦が、どう描かれるかも期待できる。 小池のバトルといえば、かつてフジテレビ『大奥~華の乱』で演じた五代将軍綱吉の側室お伝の方を思い出す。低い身分の出身だが、唯一将軍の子を産んだ母として自信満々だったのに、上様は新たな側室・安子(内山理名)にご執心。ついに安子とつかみあい、殴り合いの本物のバトルに。挙句、身重の安子を納戸に閉じ込めてしまう。「覚えておくがよい」眉毛を塗りつぶし、目を吊り上げてつめをたてるお伝は、まるで化け猫! だが、嫉妬心むき出しの体育会系側室お伝は、どこか面白可愛いのである。これは今回の北条政子と似ている気もする。 歴史に詳しい春風亭昇太に「日本史史上最強のシングルマザー」と言われた政子は、頼朝亡き後、「尼将軍」とまで呼ばれる。歴史に残る働きっぷりも見ものだ。小池は脚本家から「代表作にしてください」と言われたという。政子は、1979年の大河ドラマ『草燃える』では岩下志麻姐さんが、御家人たちににらみを利かし、2012年の大河『平清盛』では杏が、初回に毛皮のパンツルックのような勇ましい姿の政子として源氏の勝利を祝うなど、タフな印象を残している。 鎌倉の鶴岡八幡宮には、政子が造らせたともいわれる「源平池」があり、源氏側の池には島が三つで「産」につなげて発展を、平家側には島が四つで「死」で滅亡を願ったとの説がある。やるわー、政子。可愛いのにやっぱり強烈。小池政子、代表作になりそうな予感がする。
2022.01.19 07:00
NEWSポストセブン

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