新卒入社の我が子の配属先にもの申す親もいる(イメージ)

新卒入社の我が子の配属先にもの申す親もいる(イメージ)

 コロナ禍以降、昨年までは、大手企業の多くで入社式がリモート形式での開催になったり、ソーシャルディスタンスをとるために出席者を制限することに対する理解も広がっており、こうしたトラブルは鳴りを潜めていたという。だが、今年になってまた「再発」しているのだと嘆く。

「弊社の入社式は原則として社員の出席しか想定していませんので、会場に親御さんは入れません。入れないとなれば諦めるご家族も多いのですが、それでも付き添いに来られる親御さんは会場近くでお待ちになるわけです。新入社員の中には、そういった親御さんの行動を疎ましく思っている方もいて、式場の外で口論になっている場合もある」(許斐さん)

 同じく、都内の大手通信系企業社員・野村敏さん(仮名・40代)も今年、入社式に付き添う親の姿を複数目撃したと証言するが、そのほとんどが、男性の新入社員の親だったと振り返る。

「我が社は、社内ホールでの入社式だったのですが、ホール内の男子トイレで、新入社員がお母さんにネクタイを結んでもらっていたのには、思わず吹き出してしまいました(笑)。正直、そんな奴(新人)が部下になるのかと眩暈がしましたね。一方、母親が付き添ってきたらしい女性の新入社員は、ホールの入り口で『いい加減にして、はずかしい!』と母親に向かって声を荒げていましたよ」(野村さん)

 親の過保護と言っても、ほとんどの場合はここまで。独り立ちした新社会人たちは、後に「うちの親は心配性だから」と笑い話としてネタにするのだというが、ごく一部の親たちの「過保護」が継続する場合もあると、野村さんはいう。

「新人には、半年ほどいろいろな部署で研修をしてもらい、希望する部署へ配属されていくのですが、研修の段階から『うちの子供は××部を希望していない』とか『嫌がることをするなんてパワハラ』といった親からクレームが入ることもめずらしくない。本人に聞くと『頑張りたい』というのですが、本人が親と会社の板挟みにあい、本配属前に辞めてしまうというパターンも、少ないですがあります。気の毒というしかないですよ」(野村さん)

 企業によっては、こうした親の介入をなるだけ防ぐべく、親向けの「入社説明会」を行うこともある。また、入社式に家族を招待するのが恒例となっている企業もあるし、数年前に新卒の就職活動において、企業が内定を出した学生の保護者に「オヤカク(親への確認)」を行うケースが増えていることが話題になった。十年、二十年前に働き始めた会社員が持つ常識は古いと言われる面もあるのは確かだが、やはり過保護なのではないかと思わざるをえない。

 では、一番の当事者である新卒社員たちは、どのような気持ちでいるのか。新卒5年目、都内の大手銀行員・中島悠太さん(仮名・20代)が打ち明ける。

関連記事

トピックス

ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
インフルエンサーの景井ひなが愛犬を巡り裁判トラブルを抱えていた(Instagramより)
《「愛犬・もち太くん」はどっちの子?》フォロワー1000万人TikToker 景井ひなが”元同居人“と“裁判トラブル”、法廷では「毎日モラハラを受けた」という主張も
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン
千葉ロッテの新監督に就任したサブロー氏(時事通信フォト)
ロッテ新監督・サブロー氏を支える『1ヶ月1万円生活』で脚光浴びた元アイドル妻の“茶髪美白”の現在
NEWSポストセブン
ロサンゼルスから帰国したKing&Princeの永瀬廉
《寒いのに素足にサンダルで…》キンプリ・永瀬廉、“全身ブラック”姿で羽田空港に降り立ち周囲騒然【紅白出場へ】
NEWSポストセブン
騒動から約2ヶ月が経過
《「もう二度と行かねえ」投稿から2ヶ月》埼玉県の人気ラーメン店が“炎上”…店主が明かした投稿者A氏への“本音”と現在「客足は変わっていません」
NEWSポストセブン