国際情報

ウクライナ戦争で広がる憎悪 バイデン氏の過激発言が悪影響を与える懸念も

ウクライナ南部オデッサの駅に殺到する避難民たち(AFP=時事)

ウクライナ南部オデッサの駅に殺到する避難民たち(AFP=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々の心理状態を分析する。今回は、プーチン大統領やバイデン大統領の“思惑”がもたらす悪影響について。

 * * *
 ロシアのウクライナ侵攻から1か月あまり。世界中でロシア人が差別や脅迫、暴力などの標的になっているが、最近は日本でも、ロシア人やロシア関連のお店に嫌がらせが増えていると聞く。嫌がらせを行っている人が日本人かどうかは分からない。おそらくウクライナの状況に心を痛め、ロシアに憤りを感じているのだろうが、その正義感が向けられた矛先は正しいとは言えない。

 ロシアというだけで、そう見えるというだけで、周りにいる誰もが悪ではない。行き過ぎた正義感は偏見を生み、「間違っている、悪い」と思う相手を責め、敵視し、排除するようになる。「自分は正しい」と思い込むため、自らの偏見には気付かない。「バイアスの盲点」だ。私たちはいつの間にか、戦争に巻き込まれているらしい。

 連日連夜、ロシアのウクライナ侵攻による悲惨な映像が報じられている。ロシアのプーチン大統領のイメージは冷徹で強硬。今では絶対的権力を持った独裁者と見られている。ロシアによるウクライナ侵攻はプーチン氏の思惑で動いているのだ。

 だが3月30日、米ホワイトハウスのベディングフィールド広報部長は記者会見で、「ロシアのプーチン大統領に、側近や軍から誤った情報が伝えられている」、「側近が真実を伝えるのを恐れている」と述べた。ロシア軍の苦戦が報じられていたこともあり、メディアは一斉にこれを取り上げた。専門家も同様の見解を述べ、「独裁者の末期はそういうものだ」と語っていた。

 一方、ある番組では、ロシア軍の内情に詳しいアゼルバイジャン軍の副司令官だったアギーリ・ルスタムザデ氏が、ロシア軍兵士の士気の低さを指摘しつつ、「プーチンが知らないはずがない」、「戦争という状況下で大統領が騙されるなどどいうことはない。プーチンはそこまで愚かではない」と話し、「米国の政治的意図がある発表だ」と述べていた。

関連記事

トピックス

お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト
主張が食い違う折田楓社長と斎藤元彦知事(時事通信フォト)
【斎藤元彦知事の「公選法違反」疑惑】「merchu」折田楓社長がガサ入れ後もひっそり続けていた“仕事” 広島市の担当者「『仕事できるのかな』と気になっていましたが」
NEWSポストセブン
お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志(61)と浜田雅功(61)
ダウンタウン・浜田雅功「復活の舞台」で松本人志が「サプライズ登場」する可能性 「30年前の紅白歌合戦が思い出される」との声も
週刊ポスト