国際情報

かつてあったウクライナの“日常” 外国人クラブ事情「日本行き」希望する女性多かった

解放されたキーウ州の様子(写真/共同通信社)

キエフは壊滅的な被害。かつては戦争のない日常があった(写真/共同通信社)

 警察や軍関係、暴力団組織などの内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た驚くべき真実を明かすシリーズ。ロシアの侵攻により大きな被害を受けたウクライナの首都キエフ(キーウ)。かつて夜の街では、外国人クラブで働くため日本行きを希望する女性が多かったという。まだ爆撃の音も銃声もなかったキエフの日常の一部を1年前の“取材メモ”から紐解く。

 * * *
「数人の募集に集まってきたのは800人。オーディションに親までついてきたのだから驚いたよ」

 今から20年ほど前、オーディションが開かれたのはウクライナの首都キエフ。開催したのは都内のある外国人クラブのオーナーA氏だ。店で働くダンサーを募集しようと現地のプロモーターに頼んだところ、数名の募集に対し当日集まったのは約800人もの女性たち。そのほとんどが口コミだ。

 開催場所に入りきらず、建物の周りを囲むように並ぶ女性たち。そしてそこには、娘を心配する親兄弟の姿もあったという。当時のウクライナでは、店で働く女性を募集する度にこんな光景が見られたという。

 大勢の女性たちがオーディションを受けに来た理由は2つある。1つはウクライナの貧しさ。ソ連崩壊後、ウクライナでは市場の経済化が進められたが経済は混乱。当時はマイナス成長からようやく経済が回復し、発展し始めた時期だった。いくら働いても豊かな暮らしとは縁遠かったという。

 そしてもう1つの理由は、働ける場所が日本だったこと。来日して十数年、A氏の店で長く働くウクライナ人女性のMさんが話す。

「あの頃は沢山いたウクライナ人も、すごく減ってしまいました。今は興行ビザで働く子はいません。配偶者ビザか永住ビザを持っている人ばかり。コロナ渦になってからは、外国人クラブで働くウクライナ女性たちはさらに少なくなりました。」

 一昔前はどの街にも不法滞在、不法就労者がいたが、今はその影さえ見ないという。Mさんも日本人と結婚し、永住ビザを持っている。永住ビザを取得すると、在留資格の更新手続きの必要がなくなる。国籍を変えずに日本に滞在し続けることができ、どんな仕事にも就けるようになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
田久保眞紀市長の学歴詐称疑惑 伊東市民から出る怒りと呆れ「高卒だっていい、嘘つかなきゃいいんだよ」「これ以上地元が笑いものにされるのは勘弁」
NEWSポストセブン
東京・新宿のネオン街
《「歌舞伎町弁護士」が見た性風俗店「本番トラブル」の実態》デリヘル嬢はマネジャーに電話をかけ、「むりやり本番をさせられた」と喚めき散らした
NEWSポストセブン
横浜地裁(時事通信フォト)
《アイスピックで目ぐりぐりやったあと…》多摩川スーツケース殺人初公判 被告の女が母親に送っていた“被害者への憎しみLINE” 裁判で説明された「殺人一家」の動機とは
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
記者が発行した卒業証明書と田久保市長(右/時事通信)
《偽造or本物で議論噴出》“黄ばんだ紙”に3つの朱肉…田久保真紀・伊東市長 が見せていた“卒業証書らしき書類”のナゾ
NEWSポストセブン
JESEA主席研究員兼最高技術責任者で中国人研究者の郭広猛博士
【MEGA地震予測・異常変動全国MAP】「箱根で見られた“急激に隆起”の兆候」「根室半島から釧路を含む広範囲で大きく沈降」…5つの警戒ゾーン
週刊ポスト
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト