品行方正が求められ、飲酒や暴力が忌避される現代からすれば、ピラニア軍団が活躍した時代は遠い昔のように思える。
元メンバーで俳優の白井滋郎(71)は、激動の時代をこう振り返った。
「ピラニア軍団には今の時代にないエネルギッシュさがあり、ヤンチャばかりしていました。しかし、仕事に関してはとても真面目で、本当に役者業が好きな方々の集団だったと思う。
今は役者が街で少しでもケンカしたらひどく叩かれるけど、当時はトラブルがあっても東映が矢面に立ってくれた。役者が仕事もプライベートものびのびと過ごせる面白い時代だったから、僕らのような脇役にも個性が溢れてたんじゃないかな」
一瞬の輝きだったからこそ、ピラニア軍団の足跡は後世に語り継がれているのだろう。
(了。第1回から読む)
※週刊ポスト2022年4月29日号