ビジネス

現場の配送員が明かす「再配達の有料化」がそのうち避けられなくなる理由

時間指定しているのに不在、再配達という届け先が意外に多い。置き配可能だと助かるのだが……(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

時間指定しているのに不在、再配達という届け先が意外に多い。置き配可能だと助かるのだが……(イメージ、Sipa USA/時事通信フォト)

 2017年に宅配大手が荷物の総量規制と配送料値上げに踏み切り「宅配クライシス」と呼ばれる状態に陥ったとき、再配達による宅配業務の圧迫がさかんに言われ、再配達は追加料金をとってもよいのではないかと一般顧客から声が上がるほどだった。その後、状況は改善されたかのように見えていたが、水面下では再び危機が迫っている。俳人で著作家の日野百草氏が、新型コロナウイルス感染拡大で利用者が激増した通販大手サイト配送における再配達と置き配の問題についてレポートする。

 * * *
「時間指定で置き配なしのお客さまが不在というのは本当に困るのです。そのお客様の1個を届けられるか、その積み重ねが食い扶持にも影響します。私たち配送員も人間です。生活があります」

 通販サイト大手で個配を請負っていた旧知の配送員の話。現在は別の大手で配送の仕事をしているベテランだが、問題となっている時間指定と不在、そしてコロナ禍に普及した置き配の話を伺う。これはお客様へのお願い、でもあると語る。

「時間指定のお客様にはより細やかなサービスで配達しております。在宅していても届け時にトイレ中、とか大切なテレワークの勤務中、とか想定しながら配ります。実際の現場では時間指定、そして不在となると長年の勘が頼りです」

 日本ではおよそ300万人が物流に携わっている。その中で運送業(道路貨物運送業就業者)はおよそ180万人、運送会社(貨物自動車運送事業者)も6万社を超える。それぞれに違いがあるのは当然で、今回はあくまでお話をいただいた配送員の方が請け負っていた会社を事例としているが、時間指定と置き配、そして不在通知は個配に共通した問題であり、トラブルの元にもなっていることは確かである。

「まず配送手順として時間指定から配送します。そこで不在の持ち帰りが発生すると、そのコースを配りきったあと、もう一度引き返し、再訪問します」

時間指定なのに不在、再配達

 配送員を悩ませるのは届け先の不在、それも時間指定の配達にも関わらずの不在、である。

「1日200個以上を配達しますが、その中で時間指定の不在の方がいると悩ましいです。不在時は置き配可、なら問題ないのですが、勝手に置き配できませんから持って回って再連絡、再配達しかありません。せめて本人不在でも、誰かがそこにいらっしゃればよいのですが」

関連記事

トピックス

不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《私が撮られてしまい…》永野芽郁がドラマ『キャスター』打ち上げで“自虐スピーチ”、自ら会場を和ませる一幕も【田中圭との不倫報道】
NEWSポストセブン
(SNSより)
「誰かが私を殺そうとしているかも…」SNS配信中に女性インフルエンサー撃たれる、性別を理由に殺害する“フェミサイド事件”か【メキシコ・ライバー殺害事件】
NEWSポストセブン
電撃引退を発表した西内まりや(時事通信)
電撃引退の西内まりや、直前の「地上波復帰CMオファー」も断っていた…「身内のトラブル」で身を引いた「強烈な覚悟」
NEWSポストセブン
女性2人組によるYouTubeチャンネル「びっちちゃん。」
《2人組YouTuber「びっちちゃん。」インタビュー》経験人数800人超え&100人超えでも“病まない”ワケ「依存心がないのって、たぶん自分のことが好きだから」
NEWSポストセブン
悠仁さまの大学進学で複雑な心境の紀子さま(撮影/JMPA)
悠仁さま、大学進学で変化する“親子の距離” 秋篠宮ご夫妻は筑波大学入学式を欠席、「9月の成年式を節目に子離れしなくては…」紀子さまは複雑な心境か
女性セブン
品川区にある碑文谷一家本部。ドアの側に掲示スペースがある
有名ヤクザ組織が再び“義憤文”「ストーカーを撲滅する覚悟」張り出した理由を直撃すると… 半年前には「闇バイト強盗に断固たる処置」で話題に
NEWSポストセブン
現在は5人がそれぞれの道を歩んでいる(撮影/小澤正朗)
《再集結で再注目》CHA-CHAが男性アイドル史に残した“もうひとつの伝説”「お笑いができるアイドル」の先駆者だった
NEWSポストセブン
『THE SECOND』総合演出の日置祐貴氏(撮影/山口京和)
【漫才賞レースTHE SECOND】第3回大会はフジテレビ問題の逆境で「開催中止の可能性もゼロではないと思っていた」 番組の総合演出が語る苦悩と番組への思い
NEWSポストセブン
永野芽郁の不倫騒動の行方は…
《『キャスター』打ち上げ、永野芽郁が参加》写真と動画撮影NGの厳戒態勢 田中圭との不倫騒動のなかで“決め込んだ覚悟”見せる
NEWSポストセブン
電撃の芸能界引退を発表した西内まりや(時事通信)
《西内まりやが電撃引退》身内にトラブルが発覚…モデルを務める姉のSNSに“不穏な異変”「一緒に映っている写真が…」
NEWSポストセブン
入院された上皇さまの付き添いをする美智子さま(2024年3月、長野県軽井沢町。撮影/JMPA)
美智子さま、入院された上皇さまのために連日300分近い長時間の付き添い 並大抵ではない“支える”という一念、雅子さまへと受け継がれる“一途な愛”
女性セブン
交際が伝えられていた元乃木坂46・白石麻衣(32)とtimelesz・菊池風磨(30)
《“結婚は5年封印”受け入れる献身》白石麻衣、菊池風磨の自宅マンションに「黒ずくめ変装」の通い愛、「子供好き」な本人が胸に秘めた思い
NEWSポストセブン