UFOの存在は…(イメージ。Getty Images)
皆神:というと?
山口:「地球が危ない、人類が危ない」という危機感や不安から、「第三の敵」としてUFO、宇宙人を心の中で創造してしまうこともあると思うんです。
皆神:例えば、太平洋戦争中に「ロサンゼルスの戦い」というUFO事件が起きた。開戦後の1942年2月、米ロサンゼルス上空に輝く謎の飛行物体が突如現われ、驚いた米軍が一斉に攻撃したのです。ですが、実際の飛行物体は確認されませんでした。実は、その数日前に日本軍の伊号潜水艦がロス北西を砲撃しており、その“恐怖”がパール・ハーバーの悪夢とも重なって、米軍のパニックを誘発したとされています。
山口:大戦中や東西冷戦の重要な局面で、UFOブームが起きているのは事実です。終戦直後のロズウェル事件に端を発し、ケネディ暗殺からアポロ計画、レーガン大統領のスターウォーズ計画まで。世界の危機的状況や転換期には、それにリンクする形でUFO問題がクローズアップされます。
皆神:UFO問題は社会情勢や人間の心理、軍事的な問題が絡んでくるのでしょう。有名なロズウェルの墜落事件は、旧ソ連の原爆実験を観測するための高高度気球だったことがわかっています。でもその後、米政府と宇宙人の密約「MJ-12」とか、さまざまなストーリーが加わって半世紀以上にわたり語り継がれてきました。
山口:ただし、すべてを絵空事と片付けるのは無理があると思うんです。宇宙人との密約については、アイゼンハワーの孫が後に証言しているし、まるっきりのウソとも言い切れない。私は、宇宙人が人類の子孫であると踏んでいますが。
皆神:ケネディ暗殺の陰謀説には面白い話があって、当時暗殺現場にいた重要参考人の一人が、以前UFOに遭遇しその際に、UFOの“真実”を知った人のもとに現われるという黒ずくめの男たち(MIB)から、何も話すなと口封じされたと証言していたのです。そのMIBも最近は話題にもなりませんけどね(笑)。
山口:日本での報告はあります。静岡や茨城で「UFOを見た」と証言する人の家をMIBがピンポンして回っているらしい(笑)。取材して証言も取りましたが、すべてが妄想と言えないところもある。