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結局「#鎌倉殿どうでしょう」の大泉洋、悪役でも嫌われない強み

源頼朝役の大泉

源頼朝役の大泉洋

 三谷幸喜氏による脚本で話題を集めているNHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。主演の小栗旬を凌ぐほどの存在感を放っているのが源頼朝を演じる大泉洋(49才)だ。SNS上には「#鎌倉殿どうでしょう」なるハッシュタグも登場。悪役でも嫌われない強みを発揮する大泉の魅力についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 このところ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)のムードが一変し、ネット上には「怖い」「重すぎる」「鬱展開」などのコメントが書き込まれています。

 その理由は源頼朝(大泉洋)が、伊東祐親(浅野和之)、上総広常(佐藤浩市)、木曽義仲(青木崇高)、木曽義高(市川染五郎)、一条忠頼(前原滉)、藤内光澄(長尾卓磨)の殺害指令を次々に出し、立て続けに命を落としたから。しかも北条義時(小栗旬)や政子(小池栄子)らに止められても強行したことで、頼朝の悪さが際立ちました。

 これまでの頼朝は大泉さん自身、「前半はとにかく笑えるシーンが多い」と語っていたように、女装して逃げたり、後白河法皇(西田敏行)の生き霊に絡まれたり、石橋山の戦いで敗れてボヤいたり、逃げ延びた安房で漁師の娘・亀(江口のりこ)にちょっかいを出したりなどのコミカルなシーンが目立っていました。

 だからこそここに来ての非情な言動はギャップが大きく、視聴者はネット上に悲鳴のようなコメントを書き込んでいます。ただ、頼朝を演じる大泉さんは放送前から、「大泉洋の好感度は下がるだろう」と覚悟していましたが、頼朝や大泉さんを嫌うような声はほとんど挙がっていません。

 視聴者は重苦しいシーンの連続に気分を沈ませながらも、むしろ「#全部大泉のせい」「#鎌倉殿どうでしょう」というハッシュタグで大泉さんをイジるようなコメントを書き込んで盛り上がっているのです。

 大泉さんは、もはや嫌われるどころか、主人公の北条義時と演じる小栗旬さんを上回るほどの存在感と人気を見せていますが、この現象にはどんな背景と理由があるのでしょうか。

キャスト発表時からイジられていた

『鎌倉殿の13人』は、1月9日のスタート時から放送されるたびに毎週ツイッターのトレンドランキングを賑わせてきました。なかでも特に視聴者を楽しませてきたのは、「#鎌倉殿どうでしょう」のツイート。これは大泉さんの出演番組であり代名詞とも言える『水曜どうでしょう』(北海道テレビ)に引っかけたもので、ファンたちが両番組のシーンを重ねて遊んでいるのです。

 たとえば第1話で女装姿のまま逃げるシーンや、敗走して逃げ惑うシーン、関東武者たちに取り入る人たらしぶりを見せたシーン、妾・亀の住む家を妻・政子が壊したシーン。これらのシーンで魅せた頼朝の表情を『水曜どうでしょう』の大泉さんと重ねて大喜利のように笑いを競っているのです。頼朝がどんなに悪い男になっても、演じる大泉さん自身がファンを通じて笑わせ続けているため、嫌われづらいのはないでしょうか。

 実は「#鎌倉殿どうでしょう」は、今年1月ではなく頼朝を大泉さんが演じることを発表した昨年11月に生まれたハッシュタグ。何と放送開始前からファンたちにイジられ、楽しませていたのです。さらにさかのぼると、2016年に放送された同じ大河ドラマ『真田丸』でも大泉さんは主人公の兄・真田信幸を演じ、「#真田丸どうでしょう」というハッシュタグでつぶやかれていました。

 主演の小栗さんもマスクに「全部大泉のせい」と書いて使っていたエピソードを明かすなど、撮影現場でも大泉さんへのイジリは活発。政子を演じる小池さんからも「大泉」と呼び捨てにされていますが、これらのイジリは最大限の賛辞であり、親しみと愛情の証でしょう。大泉さんは視聴者と出演者の両方から愛される、まさに「みんなの人気者」なのですが、その背景には演技へのリスペクトがあります。

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