スポーツ

「佐々木朗希は強豪校に進まなくて正解だった」 松坂大輔育てた横浜高校元部長が分析

完全試合を達成して花束を高く掲げる佐々木朗希(時事通信フォト)

完全試合を達成して花束を高く掲げる佐々木朗希(時事通信フォト)

 異次元の球を投げ込み、先発登板する試合が社会的注目を集めている。こんな現象はなかなか見られない。ロッテ・佐々木朗希(20)だ。その佐々木について、名門・横浜高校の部長、コーチを歴任し、松坂大輔(元西武)をはじめ、涌井秀章(楽天)、柳裕也(中日)ら球界を代表する投手たちの「育ての親」として知られる小倉清一郎氏が語った。

 佐々木は4月10日のオリックス戦で28年ぶり史上16人目の完全試合を記録。20歳5カ月での達成は史上最年少記録だった。4月17日の日本ハム戦も8回まで走者を1人も出さない完全投球で大きな反響を呼んだ。

 小倉氏も、佐々木の活躍に衝撃を受けたという。

「とんでもない投手が現われたね。あれだけ左足を高く上げられるのは股関節が柔らかいから。努力の賜物だと思う。身長(190センチ)が高い上に股関節が強くて柔らかいから、球の出所が普通の投手より30センチ高い位置から制球良く投げ込める。あの角度から160キロを超える直球、150キロ近いフォークを投げ込まれたらプロの打者でもなかなか打てないよ。思いっきり腕を振れば170キロは出るでしょう。でも肩を故障する可能性があるからブレーキをかけているんだと思う。いま佐々木は20歳だっけ? 22~23歳で本当のピークを迎えると思う。その時にはさらに凄いピッチャーになっているよ」(以下、カギカッコ内は小倉氏)

 小倉氏から見れば、佐々木にはまだまだ多くの改善点があるという。

「投げ方を見ると、大谷翔平(エンゼルス)のほうがもうちょっと前でリリースしている。大谷は投げ終わった後に左足より右足が前にくるでしょう? 佐々木はあと10センチ打者寄りでリリースできるようになったら、打者はさらに球速表示以上の速さを感じる。あと球種を読まれやすくなるから、テイクバックの時に右腕を体の中に入れたほうがいい。

 球種も直球、フォークが大部分だけど、あと1つは増やしたいね。カーブとか緩い球を覚えれば投球の幅が広がってくる。松坂、ダルビッシュ(有)、大谷はウイニングショットになる良い変化球が複数あったけど、佐々木はまだスライダー、カーブを磨いている段階。裏を返せば伸びしろだらけだ。高卒2~3年目の松坂と比較すると、投げるスタミナ、フィールディング能力、変化球の精度は松坂の方が上。でも投げている球の凄み、エンジンは佐々木が1枚も2枚も上だよ」

関連キーワード

関連記事

トピックス

和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
一般家庭の洗濯物を勝手に撮影しSNSにアップする事例が散見されている(画像はイメージです)
干してある下着を勝手に撮影するSNSアカウントに批判殺到…弁護士は「プライバシー権侵害となる可能性」と指摘
NEWSポストセブン
亡くなった米ポルノ女優カイリー・ペイジさん(インスタグラムより)
《米ネトフリ出演女優に薬物死報道》部屋にはフェンタニル、麻薬の器具、複数男性との行為写真…相次ぐ悲報に批判高まる〈地球上で最悪の物質〉〈毎日200人超の米国人が命を落とす〉
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン