ライフ

日本でのマスク着用は「空気」次第 国家権力者すら逆らえない

2020年春、公園内に設置された咳チケットとマスク着用を促す看板。マスク着用は義務ではなくお願い(時事通信フォト)

2020年春、公園内に設置された咳チケットとマスク着用を促す看板。マスク着用は義務ではなくお願い(時事通信フォト)

 日本で対コロナ感染対策が広く実施されるようになって3年目を迎えるいま、もうすぐコロナ禍で3回目の夏がやってくる。気象庁によれば2022年の夏も猛暑が予想されており、マスク着用をどうするかは、健康問題に直結する重大懸案といえるだろう。俳人で著作家の日野百草氏が、義務ではないはずのマスク着用の現実についてレポートする。

 * * *
「子供は不満みたいですが、マスクにうるさい親もいますからね、私としてはこんな土手でサッカーしている分にはいいと思うのですが」

 関東近郊、河川敷を利用して簡易に作られたサッカー場、ゴールポストすらないが、パイロンをゴールにみたてて模擬ゲームのような感じで子供たちがボールの奪い合いをしている。本格的なサッカークラブではなく、あくまで地元の子供たちが男女問わずサッカーを楽しむ集まりだと話すが、保護者はもちろん、サッカー中の少年少女たちもマスク姿だ。

「(マスクを)していたほうが角も立ちませんから、(マスクを)しろという方に合わせてます」

 母親は小声で話す。土手の下で大掛かりなシートを敷いて、クーラーボックスやらを用意しながら子供たちを見ている親御さんたちと、土手の上から子供たちを見ている親御さんたちには親同士のちょっとした距離感があるように思える。もちろん、全員マスク着用なので、マスクが問題というわけではないだろうが。

「だからマスクは絶対ですね」

 印象的だったのは、ここでは感染がどうとかではなく「マスクをしていればいい」という感覚でしている、人もいるということだった。感染がどうこう以上に、「マスクをしろ」という声の強い人によって、ここでは親も子供も全員がマスクをしている。立夏も過ぎた炎天下、最近は涼しいどころか寒いくらいの日が続いたが今日に限れば気温が高い。それでもサッカーでせわしなくボールを奪い合う子供たちはマスク姿、見渡せばこの子供サッカーの一団を除き、たまにジョギングやサイクリングの人が通る程度、駅からも離れ、車すら川辺まではめったに来ない。親の大半は橋梁の下なので日陰だが、子供たちは強い日差しにさらされている。

「いろんな人がいらっしゃいますから、仕方ないですね」

関連記事

トピックス

水原一平氏のSNS周りでは1人の少女に注目が集まる(時事通信フォト)
水原一平氏とインフルエンサー少女 “副業のアンバサダー”が「ベンチ入り」「大谷翔平のホームランボールをゲット」の謎、SNS投稿は削除済
週刊ポスト
解散を発表した尼神インター(時事通信フォト)
《尼神インター解散の背景》「時間の問題だった」20キロ減ダイエットで“美容”に心酔の誠子、お笑いに熱心な渚との“埋まらなかった溝”
NEWSポストセブン
水原一平氏はカモにされていたとも(写真/共同通信社)
《胴元にとってカモだった水原一平氏》違法賭博問題、大谷翔平への懸念は「偽証」の罪に問われるケース“最高で5年の連邦刑務所行き”
女性セブン
富田靖子
富田靖子、ダンサー夫との離婚を発表 3年も隠していた背景にあったのは「母親役のイメージ」影響への不安か
女性セブン
尊富士
新入幕優勝・尊富士の伊勢ヶ濱部屋に元横綱・白鵬が転籍 照ノ富士との因縁ほか複雑すぎる人間関係トラブルの懸念
週刊ポスト
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
《愛子さま、単身で初の伊勢訪問》三重と奈良で訪れた2日間の足跡をたどる
女性セブン
水原一平氏と大谷翔平(時事通信フォト)
「学歴詐称」疑惑、「怪しげな副業」情報も浮上…違法賭博の水原一平氏“ウソと流浪の経歴” 現在は「妻と一緒に姿を消した」
女性セブン
『志村けんのだいじょうぶだぁ』に出演していた松本典子(左・オフィシャルHPより)、志村けん(右・時事通信フォト)
《松本典子が芸能界復帰》志村けんさんへの感謝と後悔を語る “変顔コント”でファン離れも「あのとき断っていたらアイドルも続いていなかった」
NEWSポストセブン
水原氏の騒動発覚直前のタイミングの大谷と結婚相手・真美子さんの姿をキャッチ
【発覚直前の姿】結婚相手・真美子さんは大谷翔平のもとに駆け寄って…水原一平氏解雇騒動前、大谷夫妻の神対応
NEWSポストセブン
違法賭博に関与したと報じられた水原一平氏
《大谷翔平が声明》水原一平氏「ギリギリの生活」で模索していた“ドッグフードビジネス” 現在は紹介文を変更
NEWSポストセブン
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
カンニング竹山、前を向くきっかけとなった木梨憲武の助言「すべてを遊べ、仕事も遊びにするんだ」
女性セブン
大ヒットしたスラムダンク劇場版。10-FEET(左からKOUICHI、TAKUMA、NAOKI)の「第ゼロ感」も知らない人はいないほど大ヒット
《緊迫の紅白歌合戦》スラダン主題歌『10-FEET』の「中指を立てるパフォーマンス」にNHKが“絶対にするなよ”と念押しの理由
NEWSポストセブン