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【不運すぎる真実】4630万円問題「なぜ463世帯の中で田口翔容疑者だったか」副町長が明かした背景(後編)

町議会で説明する山口県阿武町の中野貴夫副町長と花田憲彦町長(時事通信フォト)

町議会で説明する山口県阿武町の中野貴夫副町長と花田憲彦町長(時事通信フォト)

 山口県阿武町が4630万円を誤って振り込んだ問題で、電子計算機使用詐欺の疑いで田口翔容疑者(24歳)が逮捕された。田口容疑者は警察に対し「オンラインカジノで使った」と容疑を認めていて、今後、金の流れについては解明される見通しが立ったと言える。今回の件は阿武町の誤振り込みが端緒となっているが、これまではっきりしなかったのは、なぜ463世帯の中で田口容疑者に振り込まれてしまったのかという点である。同町の中野貴夫・副町長は、田口容疑者の逮捕前に『女性セブン』のインタビューに応じ、その背景も含めて経緯を語っていた。(前後編の後編。前編から読む)

不運その3──銀行は「2時間かかる場所」だった

 すでに報じられている通り、町の職員が一緒に銀行に向かおうとしたが、田口容疑者が風呂に入るため1時間ほど準備に時間がかかるとして、出発したのは12時30分ごろだった。それでも、この時点では職員たちは「返してくれる」と思っていたのだろう。銀行に一緒に向かってくれるというのだから、そう考えても無理はない。

 だが、事態は一変する。

「悪いことに……銀行は彼の自宅から2時間かかるんですよ」

 その車中で田口容疑者はスマホで返さなくていいか調べまくっていた可能性があるのではないか。

「それは分かりません。車中では彼は職員とあまり話をしなかったというし。彼が何を考えていたかは……」

 移動中の2時間で心変わりがあったのか、14時30分ごろに銀行に到着すると、田口容疑者は「今日は手続きしない」と言い出した。

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