岡田晴恵氏が指摘するマダニの恐怖に、対策も必要
もしもマダニに咬まれたら、まずは皮膚科を受診して除去と消毒などの処置をしてもらいます。無理にマダニを引き抜こうとすると口器の一部が皮膚に刺さったまま残ってしまうことがあります。どうしても受診できない場合は、薬局などで売っているワセリンを、マダニを埋め込むように皮膚に塗布して、30分ほどおいてからガーゼで払ってみると、窒息したマダニが取れることがあります。
そもそも、草むらなどに立ち入る場合には肌を露出しないようにし、防虫スプレーを使うなどしてマダニに咬まれないようにしましょう。
私の母は家の庭で草取りをしていてマダニに咬まれました。母の脇の下で小豆のように赤黒く膨れて、くっついていました。油断も隙もありません。除去した後の2週間、私は朝晩に母の体温を測って記録しながら、心配して過ごしていました。
この時期、マダニには要注意ですね。
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士を取得。国立感染症研究所などを経て、現在は白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。
イラスト/斉藤ヨーコ
※週刊ポスト2022年6月3日号