ライフ

心臓病は精神面が大きく影響する疾患 ストレスの原因を突き止めることで改善する傾向

心臓の治療や、心臓リハビリも進化している

心臓の治療や、心臓リハビリも進化している

 心臓病などの心疾患は日本人の死因第2位(1位はがんなどの悪性新生物、2006年厚生労働省「人口動態統計の概況」より)。もし心臓病と診断され、病気と向き合うことになった時、病院ではどのようなケアが行われるのだろうか。心臓専門医の別府浩毅さんに聞いた。

「心臓病と診断されちゃった、どうしよう!」と、不安に陥ると、余計に心臓への負担が重くなる。

「いまは医学も進歩して、心臓カテーテル治療は1泊2日で行えるようになりました。ただ、治療を受けた後もちゃんとケアをすることが必要。治療後のケアをするだけで、再発予防にもなり、これまでの生活を難なく送れるようになるので安心してください」(別府さん・以下同)

 心臓病を扱う循環器内科などを併設しているクリニックでは、心臓リハビリテーション(以下、心臓リハビリ)というプログラムを行っている。

「これは、医師や看護師、健康運動指導士、栄養士、薬剤師、臨床心理士などがチームを組んで、心臓病の患者と向き合う包括的なプログラムです。内容は、運動や食事などの生活指導のほか、患者のストレスを取り除くためのカウンセリングも含まれます。

 心臓病は臓器の病気ではありますが、精神面が大きく影響する疾患なので、私たち医師は、患者さんのストレスの出どころを調べ、改善方法を考えます。多くの患者さんはストレスの原因がはっきりすると安心し、心身の状態が落ち着いていく傾向にあります。何よりも医療チームからケアしてもらっている安心感が大きいようですね」

 心臓リハビリは複数人で行うことが多い。

「私のクリニックでは週1回、8~10人くらいで1時間の運動セッションを行っています。内容は、筋力トレーニングや有酸素運動ですが、大人数で行うと、同じ心臓病を抱える仲間がいることによって連帯感が生まれます。また、1時間かけて仲間たちと運動をやり遂げることで達成感も生まれ、自信につながります。この自信が自律神経を整え、心臓病治療に役立ち、不安からうつ状態になっていた人も症状が改善。再発防止にもつながります」

 心臓リハビリは、総合病院や循環器内科のあるクリニックなどでも実施している。正しく対処すれば、心臓病を過度に恐れる必要はない。息が上がるなど、気になる症状があれば、怖がらず、心臓専門外来や循環器内科のある医療機関を受診しよう。

【プロフィール】
別府浩毅さん(45才)/心臓専門医(循環器専門医)べっぷ内科クリニック院長。著書に『心臓専門医が教える! 健康長寿の人が毎日やっている心臓にいいこと』(自由国民社)がある。

取材・文/廉屋友美乃

※女性セブン2022年6月9日号

関連記事

トピックス

まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
由莉は愛子さまの自然体の笑顔を引き出していた(2021年11月、東京・千代田区/宮内庁提供)
愛子さま、愛犬「由莉」との別れ 7才から連れ添った“妹のような存在は登校困難時の良きサポート役、セラピー犬として小児病棟でも活動
女性セブン
インフルエンサーのアニー・ナイト(Instagramより)
海外の20代女性インフルエンサー「6時間で583人の男性と関係を持つ」企画で8600万円ゲット…ついに夢のマイホームを購入
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
『帰れマンデー presents 全国大衆食堂グランプリ 豪華2時間SP』が月曜ではなく日曜に放送される(番組公式HPより)
番組表に異変?『帰れマンデー』『どうなの会』『バス旅』…曜日をまたいで“越境放送”が相次ぐ背景 
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《自宅から遺体見つかる》遠野なぎこ、近隣住民が明かす「部屋からなんとも言えない臭いが…」ヘルパーの訪問がきっかけで発見
NEWSポストセブン
2014年に結婚した2人(左・時事通信フォト)
《仲間由紀恵「妊活中の不倫報道」乗り越えた8年》双子の母となった妻の手料理に夫・田中哲司は“幸せ太り”、「子どもたちがうるさくてすみません」の家族旅行
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
《大学時代は自由奔放》学歴詐称疑惑の田久保市長、地元住民が語る素顔「裏表がなくて、ひょうきんな方」「お母さんは『自由気ままな放蕩娘』と…」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平バースデー》真美子さんの“第一子につきっきり”生活を勇気づけている「強力な味方」、夫妻が迎える「家族の特別な儀式」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン