(写真/アフロ)

低気圧そのものも不調の原因に(写真/アフロ)

 森さんによれば、気温差はもちろん、湿度と気温の組み合わせで決まる「体感温度」の差が激しいことも今年の天候の特徴だという。

「同じくらいの気温であっても、湿度の高さによって人間の肌が感じる温度感覚は大きく異なります。たとえば、気温も湿度も高ければ蒸し暑くて過ごしづらいと感じる人が多いですが、気温は高いが湿度が低ければそれほど不快感はない。

 反対に、気温も湿度も低ければ強く寒さを感じますが、気温は低くても湿度が高ければ少し冷えは和らぎます。こうした体感温度の差が激しいことも、体の調子に影響を及ぼしていると考えられます」

 寒暖差が起きる主な要因は、低気圧だ。

「低気圧は雨雲を伴うため、発生すると天気が崩れ、気温差も大きくなります。気温が上昇し、空気中の水蒸気量が多くなると、低気圧が発達しやすくなるので、世界的に温暖化が進む昨今、極端な気温差をもたらすような低気圧が増えることが予測されます」

 低気圧そのものも、不調の原因となりうる。

「気圧とは、空気がものを押さえつけるときにかかる圧力のことを指します。その重量は相当なもので、成人であれば平常時でも14〜16tもの気圧がかかっていますが、普段は体内から外に向かってそれを押し返す力があるためバランスが取れています。

 しかし気圧に大きな変動があればそのバランスが崩れ、体の状態に影響が出てしまう。エレベーターで高層階に上がると、耳に違和感を覚える人が多いですが、これも高所に行くと気圧が急激に下がるためです。気圧は上がるより下がる方が影響を受けやすく、実際にさまざまな研究によって低気圧が体調に支障をきたすことが明らかになっています」(渡邊さん)

※女性セブン2022年6月16日号

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