新型コロナウイルスの影響でこの2年半、いつもなら発生するさまざまな感染症の流行が起こっていません。アデノウイルスも流行していないことから、免疫をもっていない子供も多くいて、そんな子供たちの中で流行りやすい状況が出来上がっています。
現在、さらなる増加の兆候は見られませんが、予防は飛沫感染にはマスク、接触感染では手洗いとなります。高温多湿になるこれからの時期、屋外で人との距離がある場合や運動をする時はマスクを外し、人混みや会話では着けるなど熱中症対策も必要です。アデノウイルスでは消毒用アルコールの効果は限定的ですから、流水でしっかり洗い流す基本的な手洗いを今、再び思い出すことも大切ですね。
【プロフィール】
岡田晴恵(おかだ・はるえ)/共立薬科大学大学院を修了後、順天堂大学にて医学博士を取得。国立感染症研究所などを経て、現在は白鴎大学教授。専門は感染免疫学、公衆衛生学。
イラスト/斉藤ヨーコ
※週刊ポスト2022年6月24日号