芸能

黒柳徹子のユニセフ視察同行の田沼武能さん 盟友も解明できなかった“汗の謎”

黒柳の親善大使就任30周年のイベントに駆けつけた田沼さん(時事通信フォト)

「田沼さんがいたので今までやってこられた」と全国紙で語っていた黒柳(写真は親善大使就任30周年のイベント時に田沼さんと。時事通信フォト)

 ユニセフ(国連児童基金)の親善大使を務める黒柳徹子(88才)がこれまでに訪れた国は延べ40か国近くに上る。干ばつや貧困に苦しむアフリカの国や、大量の地雷が埋められた紛争地域、無政府状態が続く破綻国家──危険を顧みず、子供たちに寄り添う活動を続ける黒柳には心強い“同志”がいた。

 6月1日に亡くなった写真家の田沼武能さん(享年93)がその人。田沼さんは写真界の地位向上に尽くした文化勲章受章者で、黒柳のユニセフの視察に同行したジャーナリストとしても知られる。その田沼さんが昨年、『女性セブン』記者に黒柳との思い出を語っていた。

 田沼さんは、黒柳の行動力や胆力に舌を巻くことがたびたびあったという。

「彼女は、どんなひどい紛争地や貧困地域に行ってもいやな顔ひとつせず、誰とでも対等に話すんです。大統領や政府高官とも物怖じせずに交渉するし、アフガニスタンでタリバンの幹部に面会して、難民キャンプの女性が教育を受ける許可を取りつけたこともありました。女優をやっているから『怖がらずに、堂々とする“演技”ができる』と言ってましたね」(田沼さん・以下同)

 35年間にわたって行動を共にした2人が、ユニセフの活動で最後に訪れたのは2019年のレバノン。田沼さんが90才のときだ。

「写真家は1に体力、2に体力(笑い)。黒柳さんも普段からスクワットで鍛えて、車椅子に乗ってでも舞台に出たりしていますからね。戦中派は根性が違うんです。倒れても、車椅子に乗っても、まずは人の手を借りずに自分でどうにかしないといけないと考えますから。次はいつ行くんだ?と聞いたら、コロナが落ち着いたらまた行こうって言ってました。順調にいけば秋頃かな」

 そんな黒柳の盟友の田沼さんだが、彼でも解明できなかった謎がある。

「あの人、どんなに暑いところに行っても、それこそ砂漠に行っても、一滴も汗をかかないんです。いつも長袖着てるのに、あれはいまだに不思議だなあ(笑い)。僕は彼女の口から泣き言や、弱音を聞いたことは一度もありません。今後も本人がやりたいと思う限り、世界中の子供たちのために活動を続けていくと思いますよ」

 田沼さんの訃報に触れた黒柳は、6月4日付の朝日新聞デジタルの取材にこうコメントしている。

「亡くなったのはショックです。田沼さんがいたので今までやってこられた。いらっしゃらないとなると、どうしようかと思ったりしています」

 それは彼女がはじめて口にした“泣き言”だったのかもしれない。

※女性セブン2022年6月23日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン