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高田文夫氏 下町を歩いてみて分かった江戸の大親分と日本地図と画家の縁

東京の下町を散歩して再発見

東京の下町を散歩して再発見

 放送作家、タレント、演芸評論家、そして立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫氏が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、2012年より活動を始めた「いち・にの・さんぽ会」で、東京の下町を散歩して再発見したいろいろについて綴る。

 * * *
 団体行動も離れて歩きゃ大丈夫だろうと久々に「いち・にの・さんぽ会」の5人組WITH松村邦洋。「浅草から少しはずれて松が谷あたりを流しますか」とリーダー。地図を見ると浅草の左手側、上野寄りが入谷に松が谷(私が入る寺は浅草の右手側、今戸にある。そう、有名な待乳山聖天の先だ)。日本で二番目に古い商店街だという佐竹商店街を歩いたり、伊東四朗が生まれたらしい下谷区竹町、永六輔が生まれた永住町など歩く。私の大好きな2人が生まれた町の匂いがなんともいえない。嬉しくなる。

 のんびり行くとお寺の前に「幡隨院長兵衛の墓」とある。おいっおいっ一気に江戸っ子の血がさわいできたぞ。江戸初期に花川戸に住んだナンバーワンの侠客だ。歌舞伎などでもおなじみ『鈴ヶ森』『白井権八』である。昔の東京人はこれくらいの素養はあった。寺の名は「源空寺」。

 寺の様子を見ながら、さんぽ会Bが「あれぇこのお寺。10年以上前に志の輔師匠と撮影で来たことあるぞ」「なんのロケ?」「『大河への道』。噺ができて渋谷のPARCO劇場でかける時、墓参りの画を撮りに……」「幡隨院の墓参りになんで富山の志の輔が来るんだよ」「違いますよ。伊能忠敬のお墓ですよ」

 そんなバカな。『大河への道』と言えば、私も10年以上前からきいていて、日本初の実測地図完成、日本中を歩いてまわって地図を作ったというのだから見あげたもんだと思っていたところ、この度あの中井貴一がこの噺に感動して映画まで制作、ちょうど公開したばかり。本当にここに伊能忠敬の墓があるのかと墓地へ入っていくとみごとに並んでお墓があってびっくり。江戸初期の幡隨院、そして江戸も後期の伊能忠敬、そしてその隣には江戸後期の著名なる画家谷文晁の墓と3人の墓がみごとに並んでおりました。

『大河への道』も幡隨院の大親分が見守っているから江戸でも大評判となるでしょう。封切りに合わせたかのように偶然に墓参りできるとは……歩いてみなきゃ分からないこともいっぱい。

〈追伸〉むかえて第5回「オール日芸寄席 おっと天下の日大事!」が7月23日(土)昼12時30分より有楽町よみうりホール。いつもの私、志らく、白鳥に一之輔の代わりに商学部から喬太郎。ゲストはこのところ宮藤官九郎、爆笑問題田中とつづいていよいよ、晴れて表口からの日大です。待ってました爆問・太田光。いろいろあった日大を私と炎上男が語ります。前売り始まりました。

イラスト/佐野文二郎

※週刊ポスト2022年6月24日号

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