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元DeNA石川雄洋、アメフト転向して1年 左手骨折、練習中に嘔吐の「想像絶する日々」

1年で大きく体つきが変わった石川

1年で大きく体つきが変わった石川

 短く刈り込んだ髪型に精悍な表情。元DeNA・石川雄洋(35)の身体は厚みが増し、首や腕が一目で分かるほど太くなっていた。

「1年前にDeNAで引退セレモニーをやった時が体重77キロ、体脂肪14%だったんですが、今は83キロに増えて体脂肪は10%を切るぐらいですね。ベンチプレスはマックスで70キロだったのが115キロ上がるようになりました。毎日のトレーニングは……メチャメチャ辛いですよ」と笑った。

  横浜一筋で16年間プレーして通算1003安打を放った石川雄洋。抜群の身体能力を生かし俊足巧打の内野手として活躍した。2020年限りでDeNAを退団すると、「第2の人生」で選んだ道はアメリカンフットボール。前代未聞の決断に驚きの声が上がったが、石川は本気だった。社会人フットボールリーグXリーグのノジマ相模原ライズに加入。小学校から野球一筋でアメフトの競技歴はない。未知の挑戦は想像を絶する厳しさだった。

「野球は筋肉を維持するトレーニングに重点を置いていましたが、アメフトは相手とぶつかるコンタクトスポーツなので筋肉を大きくしなきゃいけない。身体を根本から作り直すことが必要でした。前腿やふくらはぎの筋肉など今まであまり使っていなかった部分を鍛えないと、相手に弾き飛ばされる。個別で週に3日トレーニングを行なうんですけど、『こんなの無理だろ』って重量を持ち上げる時、酸欠になって頭がクラクラする。終わった後は起き上がれないほど辛い。正直、最初は凄い世界に来たなと思いました」

 石川のポジションはワイドレシーバー(WR)。クォーターバック(QB)のパスを捕球する「パスオフェンスの主役」と呼ばれるポジションだ。相手ディフェンスのマークを振り切るスピード、守備網を潜り抜けるパスルートを走る能力、空中戦の競り合いを制する跳躍力、球際の強さなどが求められる。

 ノジマ相模原ライズは練習生を含めて69人の選手が在籍している。選手は平日一般企業で働いた後に個別のトレーニングに打ち込み、土日に全体練習が行われる。石川の現在の収入は野球の解説業やメディア出演料などで、ノジマ相模原ライズは無給でプレーしている。貯金を切り崩し、アメフトに打ち込む日々だ。1か月後に36歳を迎える石川はチームで上から3番目の年齢。一回り年下の選手たちとのトレーニングで経験の差を痛感させられるという。

「瞬発系や短距離のダッシュではまだまだ負けていないと思います。でも他の選手たちは何年も競技をやっている中で、僕は1年弱。時間が経つにつれてプレーの技術など差を痛感します。覚えなければいけないことが多くて、いくら時間があっても足りない」

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