バイオリニストの高嶋ちさ子もヤクルト1000を愛飲(写真/共同通信社)

バイオリニストの高嶋ちさ子もヤクルト1000を愛飲(写真/共同通信社)

1日1本で良い

 懸命の企業努力の末に商品化された「ヤクルト1000」の実力は、睡眠の改善やストレスの緩和にとどまらない。秋山医師が語る。

「そもそもシロタ株を含む乳酸菌は、腸内環境を改善する善玉菌で、病原菌の生育を抑えたり、腸内環境を悪化させる悪玉菌がすみにくい環境をつくったりする効果があります。また、乳酸菌のなかでもシロタ株は胃酸に強く、生きた状態で腸に届くので、腸内で数多く増殖します。すると下痢や便秘、肌荒れの改善効果も期待できます」

 がん死亡者の男性3位、女性1位である大腸がんの予防も期待できる。

「シロタ株は乳酸菌のなかで唯一、大腸ポリープを予防する効果が実証されています。ポリープを予防すれば、大腸がんの発生を抑えることができる。これはシロタ株の大きな利点です」(秋山医師)

 このように様々な機能があるシロタ株の効果を最大限に得るには、適切な飲み方が重要となる。テレビのバラエティ番組でマツコ・デラックスが「念のために2本飲んでいる」と明かすと、SNSでは、飲む本数について様々な意見が飛び交った。ヤクルト本社は「1日1本」を目安としているが、秋山医師はさらにこんな注意点を挙げる。

「現在、『ヤクルト1000』が売り切れ状態なので、従来の商品を数本飲むことで同様の効果を得ようとしている人がいます。しかし、『ヤクルト1000』が神経系に作用するのは、あくまで高濃度に“圧縮”された状態で飲むからです。シロタ株を1000億個摂取するために、普通のヤクルトを5本飲んでも同じ効果はありません。

 また飲む時間帯についても、シロタ株は胃酸に負けない菌なので食後に飲む必要はなく、食前、食中、食後のどのタイミングで飲んでも構いません」

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