ライフ

サル痘が想定外の拡大、ペットから感染、ヒトからヒトにも 種痘ワクチンに予防効果

想定外の拡大行を見せているサル痘とは?

想定外の拡大を見せているサル痘とは?

 今もその対応に悩まされている新型コロナウイルスだけでなく、人類は様々な感染症とともに生きていかなければならない。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、「サル痘」の流行と検疫の重要性についてお届けする。

 * * *
 いま話題になっている「サル痘」は、人の天然痘ウイルスと同じオルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスの感染によって起こる感染症です。主にアフリカ中央部や西部の熱帯林でみられる風土病でしたが、今年5月に入ってから欧米を中心に29か国に感染が広がり、想定外の国や地域で患者が多発していることから問題となっているのです(6月8日現在)。

 サル痘の名は、1958年にポリオワクチン製造のために世界各国から集められた霊長類の施設のカニクイザルから発見されたことに由来します。もともとは自然界ではリスやネズミなどのげっ歯類がもっていると考えられています。ですから、その動物からヒトへの感染経路としては、リスやネズミなどの感染動物に咬まれる、またはその血液や体液、発疹の皮膚病変に触れるなどがあります。

 ヒトからヒトに感染することは稀とされてきましたが、濃厚接触による感染やリネン類を介した医療従事者の感染の報告があり、患者からの飛沫感染や体液・皮膚病変(発疹部位)による接触感染とされています。

 このようにサル痘は新型コロナウイルスのような呼吸器感染症ではなく、発疹などの皮膚病変を中心とした接触感染と一部の飛沫感染で、感染力は強くはありません。ですから、パンデミックを起こすようなウイルスではないと考えられます。

 約1~2週間の潜伏期の後に発熱、頭痛、リンパ節の腫れなどが続き、顔面から体幹部に発疹が広がります。発疹は膨れて水疱となり、やがて膿疱となって瘡蓋となりますが、治癒するまでに2~4週間を要します。幼児や妊婦、免疫が低下している人は重症化することがあります。

関連記事

トピックス

寄り添って歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビー服は男の子のものでは?》眞子さん、夫・小室圭さんと貫く“極秘育児”  母・佳代さんの「ラブコール」も届かず…帰国が実現しない可能性も
NEWSポストセブン
選手着用のレオタードやジャージから「スポンサーロゴ」が…(協会のSNSより)
新体操日本代表・フェアリージャパン「パワハラ問題」でレオタードから消えた「スポンサーロゴ」 スポーツ庁が求めた第三者調査を“秘密裏に実施”との関係者証言も
週刊ポスト
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“半日で1000人以上と関係を持った”美女インフルエンサー(26)がイギリスの公共放送で番組出演「口をすぼめて、吸う」過激ビジュアル
NEWSポストセブン
本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
麻田雅文氏(左)と小泉悠氏
《『日ソ戦争』麻田雅文氏×小泉悠氏対談》ソ連の講和仲介に期待した日本人の「アメリカよりロシアのほうが話せる」という感覚
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン