スポーツ

坂本勇人にチーム全体が甘える巨人の現状 どうなる「後釜がいない」大問題

“頼れる主将”だが…(写真/共同通信社)

“頼れる主将”だが…(写真/共同通信社)

 5月末から行なわれた交流戦で10位という結果に終わった巨人。浮き彫りになったのは、“頼れる主将”がいないと勝てないチームということだ。交流戦の結果について巨人の番記者がこう分析する。

「大きく点差が開いて負ける試合が多かったことも問題ですが、一番は主将でショートの坂本勇人(33)がいないと投打ともに噛み合わないという点です。クリーンアップは繋がらないし、守備でもピンチに間を取るために、マウンドに歩み寄って投手に声を掛ける選手がいない。

 ケガで欠場していた坂本の一軍復帰は交流戦後の見通しだったが、ヤクルトが好調だということと、巨人があまりに打てないことで合流の予定が早まった。坂本の後継者が育っていないことが露呈する形になりました」

 事実、4月30日の阪神戦で坂本がケガをして離脱するまでの巨人は勝ち越していたが、離脱中は14勝18敗と落ちこんだ。「坂本頼り」を象徴した試合もあった。

 40日ぶりに復帰した6月9日の西武戦では、坂本が三回に先制適時打を放つなど猛打賞の活躍。エース・菅野智之(32)が当日に発熱で先発登板を回避する緊急事態を主将が救い、3連敗から脱出する立役者となった。

 球団OBで野球評論家の堀内恒夫氏は、翌10日のスポーツ報知の紙面で、〈あんたは天才! だから、もう休むんじゃねえよ! そんな声を坂本には掛けたくなったね〉

 と絶賛した上で、

〈私の現役時代で言うなら(坂本は)ON。掛けてくれる言葉で何度癒やされたり、冷静さを取り戻したか。ONはそういうことを自然にできた。坂本はその域に近づきつつある〉

 と、坂本が代えの利かないスーパースターであることを認めた。勢いづいた巨人は10日の楽天戦でも勝利を収めた。

 チームに支柱がいることは心強い一方で、坂本依存のチームは大きなリスクをはらんでいる。V9の後半を支え、現役引退後は巨人の投手コーチも務めた野球評論家の関本四十四氏が語る。

「坂本は衰えて使えなくなるまで頼らざるを得ない選手であることは確かです。あれほどインコース打ちが上手いバッターはいないし打率も安定している。

 しかし問題は守備範囲の広いショートというポジションが負担になってくること。その負担が大きくなる前に坂本の代替となる選手を見つけなければ、坂本と若手の切り替えが上手くいかず、3年間ぐらいショートが固定できない時代が来るかもしれない」

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン