「新しい資本主義」を牽引するはずの新原浩朗・内閣審議官だが…(写真/共同通信社)

「新しい資本主義」を牽引するはずの新原浩朗・内閣審議官だが…(左は山際大志郎・経済再生相。写真/共同通信社)

 新原氏と経産省は歩調を合わせるように弁明する。だが国家公務員倫理審査会事務局が作成した『国家公務員倫理規定 論点整理・事例集』では、〈倫理規定では、「職員が職務として携わる事務」の内容に応じて利害関係者の範囲が定められているため、局長であれば局全体の事務に(中略)役職段階が高い職員について、実質的に事務に関与していない場合であっても、行政組織上、職務権限を有している以上(中略)当然に「事務に関わっている」と解される〉とあり、両者が利害関係者だという疑念は残る。

 上脇博之・神戸学院大学教授(憲法学)が語る。

「前提が事実であれば、新原氏と十倉氏は利害関係者であり、補助金をもらった会社が補助金を出した側にワインを贈ったとなる。これは国家公務員倫理法、国家公務員倫理規程に抵触する案件だと考えられます。

 この問題の本質部分は業界と官僚の“癒着”です。常日頃からワインなどお土産をもらう癒着関係があって、回り回って官僚側が業界から利益を得ているという実態があると見るべきでしょう」

 岸田政権が目玉政策として掲げる「新しい資本主義」だが、その内実は新しさとは無縁の官僚支配と癒着構造によって支えられているのか。

【プロフィール】
赤石晋一郎(あかいし・しんいちろう)/「FRIDAY」「週刊文春」記者を経て2019年よりフリーに。近著に『韓国人、韓国を叱る 日韓歴史問題の新証言者たち』(小学館新書)。『元文春記者チャンネル』をYouTubeにて配信中。

※週刊ポスト2022年7月22日号

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