十倉会長から贈られたものと同じ高級ワイン2本セット
「明日、打ち上げをやろう」
冒頭の宴会前日の6月7日、十倉氏は黒色のセンチュリーで総理大臣官邸を訪れた。新しい資本主義実現会議に出席するためだった。傍らには自身が会長を務める「住友化学」の社員を帯同していた。この日に十倉氏から新原氏にワインが届けられたとされている。
「十倉会長からワインをもらったことから、新原氏が『明日、打ち上げをやろう。スカイプ(オンライン)でも』と言い出したのです」(経産省関係者)
十倉氏から新原氏に贈られたのは、ブルゴーニュの名門シャトー『ルロワ』の高級ワイン“紅白”2本セットで、値段は3万3000円。さらに『銀座ウエスト』のドライケーキ(一箱・5400円)数箱が別に事務局員に渡された。こうした物品の提供を受けることは、国家公務員倫理法に違反している疑いがある。
実は、新原氏と十倉氏の関係は、「新しい資本主義実現会議」だけではない。新原氏は2021年9月まで経産省経済産業政策局長を務めており、その時期に十倉氏が会長を務める住友化学は経済産業政策局に設置された地域経済産業グループ地域産業基盤整備課の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」を2回(一次公募2020年採択・二次公募2021年7月採択)受給している。
新原局長時代に住友化学が「最大250億円規模」(経済産業政策局地域経済産業グループ)の補助金を受けていたということになる。
国家公務員倫理法では、過去3年間に在籍したポストの利害関係者は、異動後3年間は引き続き利害関係者とみなされ、利害関係者から金銭又は物品の贈与を受けることは免職、停職などの対象となる。
住友化学コーポレートコミュニケーション部は「政府会議に参加する一メンバーとして、閣議決定に向けて大変ご尽力された事務局の皆さんへの慰労として、皆さんの打ち上げ用に心ばかりの差し入れをさせていただいたものです」と回答した。