元朝日新聞の記者・牧内氏が朝日新聞に提出した「調査申立書」に対する朝日新聞側の回答文書。自社の記者が直面している性被害について目を逸らした
朝日新聞と毎日新聞に、高校野球取材で女性記者が性被害を受けていることについて訊いた。
〈弊社は、従業員が性被害を含めたハラスメントの加害者にも被害者にもならないように取り組んでおり、定期的に社内研修を実施し、相談窓口を設けています。弊社の「ハラスメント防止に関する規定」では、「上司は、部下がハラスメントを受けている事実を認めながら、これを黙認する行為をしてはならない」と定めています。高校野球取材に限らず、社外の人からハラスメントを受けた場合、相手方に適切な対応を要求することにしています〉(朝日新聞社広報部)
〈セクシュアルハラスメントは許されることではなく、社として常に毅然とした対応を取っています。2018年に出した社長メッセージでは「あらゆるハラスメントを許しません」と宣言し、「『取材先や取引先との関係を壊したくない』など、被害を受けている本人よりも、業務上の利益を重視するような対応は絶対にあってはならない」と明確にしています。また、従業員が被害に遭わないようにハラスメント対策を研修で取り上げているほか、複数の相談窓口を開設するなど従業員が安心して働ける環境整備に努めています〉(毎日新聞社社長室広報担当)
間もなく始まる灼熱の甲子園。球児たちの活躍を伝える前に、女性記者たちの性被害問題について報じるべきではないか。
(了。前編から読む)
※週刊ポスト2022年7月29日号