感染者が増えても重症患者は激減
ワクチンより抗ウイルス薬の活用を
何度も接種を重ねると、ほかの病気にもかかりやすくなる恐れがある。
「4カ月ごとのブースター接種を繰り返すと、最終的に免疫反応が低下する可能性がある」
今年1月、欧州医薬品庁はそう警告した。具体的にどんなリスクがあるのか。小島さんが指摘する。
「本来は自分の体を守るはずの免疫に異常が生じて、自分の体の一部を攻撃してしまう自己免疫疾患のある人は、ワクチン接種で病気が進行したり、落ち着いていた病気が再発することがあります。特に自己免疫疾患の一種である血小板減少性紫斑病の早期発達には、日本血液学会と日本血栓止血学会が合同で注意喚起しています。
また、免疫低下によって体内に潜んでいたウイルスが再活性化し、神経に沿って痛みのある赤いぶつぶつができる帯状疱疹や、カビが口のなかで繁殖する口腔カンジダ症の患者が増えているのもワクチンの影響かもしれません」
さらにリンパ球に潜伏感染したEB(エプスタイン・バール)ウイルスが免役低下によって再活性化し、悪性リンパ腫や血球貪食性リンパ組織球症などをもたらす危険性もあるという。これらは命にかかわる重い病だ。
感染予防効果が低いどころか、コロナやほかの病気にかかりやすくなり、副反応による死のリスクまであるワクチンをいつまで打ち続けるのか。医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんが指摘する。
「コロナが収束するためには、ワクチンで重症化を避けつつ、できるだけ多くの人が感染して免疫を獲得する必要があります。少なくとも今年の冬と、来年の夏冬の流行期まではワクチンを打ち続ける必要があるでしょう。再来年以降はインフルエンザのように、年1回のワクチン接種ですむようになるかもしれません」
久住さんは「治療薬にシフトすべき」と語る。
「最近、抗ウイルス薬がBA.5などオミクロン派生型にも効果があるとの論文が発表されました。新しい変異株が出るたびにワクチンを開発して接種していたらキリがありません。今後は高齢者や基礎疾患がある人、医療従事者や高齢者施設職員以外は、どこまで効果があるのかが不明なワクチンを何度も打つのをやめて、感染したら抗ウイルス薬で重症化を防ぐ方向にシフトすべきです」
エンドレス・ワクチン接種にピリオドを打てるのはいつの日だろうか。
※女性セブン2022年8月11日号