ヒゲ脱毛には、見た目の清潔感や時間短縮だけではないメリットがあるという。花房医師が続ける。
「カミソリ負けしやすい人や、アトピーなど肌にトラブルを抱えている人は、症状の悪化予防にもヒゲ脱毛がおすすめです。そうした方の場合は、当院のように美容皮膚科だけでなく皮膚科も標榜しているクリニックであれば、毎回肌の状態をチェックしながらレーザー照射を行いますし、万が一の副作用が起きたときも安心です」
ヒゲ脱毛をきっかけに、他の部位の脱毛に興味を持ち始める人は多いという。
「ヒゲ脱毛を入り口にして、次は胸、腕、脛、指などの脱毛をされる方が増えています。昔だと、男性らしさの象徴として捉えられていた体毛も今では考え方が変わってきました。むしろ、体毛を整えていない人に好印象を抱かないケースも増えてきているようです」(同前)
ところで、脱毛と聞くと、施術した部位の毛が全てなくなってしまうと思う人もいるかもしれないが、ヒゲ脱毛の場合、「生きている限りメンテナンスは必要になる」(花房医師)という。花房医師自身、すでに15回ほどの脱毛を行ったという(回数は毛の太さや濃さによって個人差がある)。
継続的に費用がかかることから、花房医師の診療するクリニックでは回数を重ねるごとに1回あたりの料金が安くなるシステムを採用。クリニックによっては永久保証制度を導入しているところもある(内容はクリニックによって異なる)ので、料金や施術内容などを確認しながら選ぶことをおすすめしたい。
最近ではヘアサロンの付帯サービスとして「脱毛」があったり、簡便な機械でセルフ脱毛が行えるサロンも増えはじめるなど、身近な存在となりつつある。毎朝のみならず、1日数回のヒゲ剃りなど、自己処理に煩わしさを感じている男性などは一考の価値がありそうだ。
【プロフィール】
花房崇明(はなふさ・たかあき)/千里中央花ふさ皮ふ科院長。1979年大阪府生まれ。2004年、大阪大学医学部卒業後、大阪府立急性期・総合医療センター、大阪大学皮膚科などを経て、2012年、大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学博士課程修了。米国留学を経て、2014年、JCHO大阪病院皮膚科医長。2015年、東京医科歯科大学皮膚科講師・外来医長/病棟医長。2017年、千里中央花ふさ皮ふ科を開院。2021年、分院となる江坂駅前花ふさ皮ふ科を開院。医学博士(大阪大学大学院)。日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医、日本抗加齢医学会専門医、難病指定医。
◆取材・文/吉田みく(ライター)