芸能

イッセイミヤケ、芸能人にもファン多数 美輪明宏、楠田枝里子…愛された理由 

デザインした服は多くの芸能人にも愛された三宅一生さん(写真は2001年、時事通信フォト)

デザインした服が多くの芸能人にも愛された三宅一生さん(写真は2001年、時事通信フォト)

 悲しみはファッション界のみならず、芸能界にも大きく広がっている。亡くなった世界的ファッションデザイナーの三宅一生さん(みやけ・いっせい、本名・かずなる、享年84)がデザインした服は芸能人にも多くのファンがいた。コラムニストで放送作家の山田美保子さんが三宅さんの服を愛した芸能人たちの秘話について綴る。

 * * *
 ファッションデザイナーの三宅一生さんが5日に肝細胞がんで亡くなっていたことがわかった。

 1971年にスタートしたブランド「イッセイミヤケ」は、ニューヨークでコレクションを発表。1973年には、初めてパリコレに進出し、プレタポルテを発表した。それまでの服作りの概念を覆す「一枚布から服を仕立てる」という発想と技術で、国内はもちろん、世界でも大きな話題となった。なかでも1988年に発表した「プリーツ」を発展させ、1994年の春夏コレクションから単独ブランドとしてスタートし、後に代表作となった「プリーツプリーズ」は、軽くてシワにならず、水洗いもできる機能性と着心地の良さで、大人の女性にファンが多い。「暮らしの中で生きてこそ、デザインの存在価値がある」という三宅一生さんの考えを実現させた同ブランドは、芸能界でも大人気。近年、美輪明宏の衣装は100%、「プリーツプリーズ」だったのではないか。

 年末年始号の婦人誌で表紙を務めるときや、一時期、ケータイの待ち受けにすると金運や恋愛運がアップすると言われた画像のイエローゴールドやピンクの衣装は「プリーツプリーズ」。さらには2012年の『NHK紅白歌合戦』で『ヨイトマケの唄』を歌ったときも、上下、黒の「プリーツプリーズ」だった。

 文字通り、細かいプリーツが全身に施され、暖色から寒色までの一色使いもあれば、シーズン毎に異なる柄モノも発表された。1本の糸から素材を開発し、縫製した後にプリーツをかける「製品プリーツ」なる手法。デザインも多岐にわたっていたし、インナー、アウター、ワンピース、スカート、パンツからスカーフまで、さまざまなアイテムが揃っているので買い足して、それぞれを合わせてもオシャレに仕上がる。

 大人の女性にとって魅力的なのは、プリーツ素材ゆえ、どんな体型をも優しく包み込み、たとえ、ふくよかな身体のラインが出たとしても、エレガントに見せてくれたことだ。そして、くるくる丸めると驚くほどスペースをとらないため、旅先に持参するのにも重宝。華やかな色を選べば、フォーマルなディナー用の服にもなった。

旅番組の出演者やコメンテーターにも

 筆者は以前、野際陽子さんと中井美穂がMCを務めた『旅の香り』(テレビ朝日系)の構成を担当していたのだが、その際、“旅人”の女優らがボストンバッグやスーツケースにしのばせていたのも「プリーツプリーズ」だった。組み合わせや重ね着することによって、カジュアルにもドレッシーにもなる「便利な服」と女優たちは口を揃えた。

美輪明宏

美輪明宏もイッセイミヤケのファン

関連キーワード

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン