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中国有数のエネルギー企業ら5社がNY上場廃止へ 米中関係悪化の影響拡がる

米中対立は激化か

米中対立の影響か

 世界有数のエネルギー企業である中国のペトロチャイナ、シノペック、上海石油化学の3社と、中国国有の大手保険会社である中国人寿保険とアルミニウムメーカーのアルコアの計5社はこのほど、米国のニューヨーク証券取引所の上場を廃止する手続きを申請することを明らかにした。ここ数年の米中対立の激化に伴うものとみられ、米中関係悪化が経済分野に波及してきた形だ。米ブルームバーグ通信などが報じた。

 この発表がなされた8月13日のニューヨーク株式市場では、これらの企業の株式が1%程度下落、30億ドル程度が失われた計算だ。

 これら5社は、2020年に成立した外国企業説明責任法によって導入された、米国規制当局の監査基準を満たさない中国企業270社以上のリストに含まれている。同法は現在、米議会で修正案が提出されており、まだ正式には発効していないが、成立は時間の問題だとみられている。

 米議会では、中国企業が資産や取引内容を証券取引所に正確に報告しておらず、不正な取引をしているなどとの批判が出ており、同法が提出された。しかし、中国は米国規制当局による中国企業の監査文書へのアクセスについて問題視しており、対立した状態が続いている。

 ニューヨーク上場の中国電子商取引大手アリババもこのリストに掲載されていることが明らかになっている。同社の米国上場株は、同社のリスト入りのニュースが流れた今月、11%下落している。アリババは7月、香港を主要な上場拠点とすることを近々検討すると発表しており、「これにより中国本土からの投資家がより多く投資できるようになる」と説明している。

 これらの企業のニューヨーク証券取引所の上場廃止について、中国政府の金融管理部門のひとつである中国証券監督管理委員会(証監会)は「上場と上場廃止は資本市場では当たり前のことだ。上場廃止の選択は各社のビジネス上の考えに基づくものだ」としたうえで、「米市場で上場する各社の資本の占める割合は低く、現在の上場廃止計画は企業が中国内外の資本市場での資金調達を引き続き利用して発展するのには影響しない」などと指摘している。

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