ライフ

強烈な過当競争 新型コロナ変異ウイルスの発生とHIVの関係

2つのウィルスがどう関連している?(イラスト/斉藤ヨーコ)

2つのウィルスがどう関連している?(イラスト/斉藤ヨーコ)

 人間は様々な感染症とともに生きていかなければならない。だからこそ、ウイルスや菌についてもっと知っておきたい──。白鴎大学教授の岡田晴恵氏による週刊ポスト連載『感染るんです』より、新型コロナウイルスの変異ウイルス発生とHIVの関係についてお届けする。

 * * *
 8月第1週の日本の新型コロナの新規感染者数は約150万人。3週連続で世界最多となっています。さらに現在、BA.5から、その次のBA.2.75という新たな変異ウイルスに移行しつつあります。

 これまで次々と流行の波が襲ってもう第7波となっていますが、大事なのは波ごとに異なるウイルス(変異ウイルス)で流行が起こっているということです。大流行中は人間側も大変な思いをしますが、コロナウイルスも夥しいウイルスが生まれ、その中で勝ち残ったウイルスが子孫ウイルスを残すという強烈な過当競争をやっています。

 パンデミックですから、この瞬間にもたくさんのウイルスが細胞の中で複製され、そして、外に排出されて、次の人へと飛び移っています。ウイルスが増えるということは、それだけ遺伝子がコピーされるということですから、コピーエラーも起こりやすくなります。つまり、遺伝子のエラーが起こりやすく、変異ウイルスが生まれてきやすいのです。

 こうして変異ウイルスがたくさん出てきますが、多くは消えていきます。勝ち残るのは感染者の体内では増殖力の強いウイルス、体の外では感染力の強いウイルスです。そして、感染力と増殖力が強いエリートウイルスが他のウイルスを駆逐して、新たな波を作って大流行を繰り返しているのです。

 この変異ウイルスが発生しやすい地域、エピセンター(流行集積地)となっていると心配されているのが、南アフリカなどのアフリカ諸国です。これらの地域にはHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染している人が多くいます。

関連記事

トピックス

解散を発表したTOKIO(HPより)
《TOKIO解散には迷いなし?》松岡昌宏、「男気会見」で隠せなかった本音 唯一違った“足の動き”を見せた質問とは?
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
ディップがプロバスケットボールチーム・さいたまブロンコスのオーナーに就任
気鋭の企業がプロスポーツ「下部」リーグに続々参入のワケ ディップがB3さいたまブロンコスの新オーナーなった理由を冨田英揮社長は「このチームを育てていきたい」と語る
NEWSポストセブン
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《渡部建の多目的トイレ不倫から5年》佐々木希が乗り越えた“サレ妻と不倫夫の夫婦ゲンカ”、第2子出産を迎えた「妻としての覚悟」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《東洋大学に“そんなことある?”を問い合わせた結果》学歴詐称疑惑の田久保眞紀・伊東市長「除籍であることが判明」会見にツッコミ続出〈除籍されたのかわからないの?〉
NEWSポストセブン
愛知県豊田市の19歳女性を殺害したとして逮捕された安藤陸人容疑者(20)
事件の“断末魔”、殴打された痕跡、部屋中に血痕…“自慢の恋人”東川千愛礼さん(19)を襲った安藤陸人容疑者の「強烈な殺意」【豊田市19歳刺殺事件】
NEWSポストセブン
都内の日本料理店から出てきた2人
《交際6年で初2ショット》サッカー日本代表・南野拓実、柳ゆり菜と“もはや夫婦”なカップルコーデ「結婚ブーム」で機運高まる
NEWSポストセブン