「ここ数年のテレビドラマの中で、香川さんは“悪役”あるいは“ラスボス”といった役どころで、圧倒的な存在感を発揮しています。それこそ『半沢直樹』(TBS系)などは、香川さんが演じた大和田常務の“過剰”なまでの演技が好評で、大ヒットしたとも言える。香川さんが出演するドラマはいろいろな意味で話題にもなるし、テレビ局としては、絶対に失いたくない存在なんですよね。
もしここで、過去の作品や現在の出演作を“キャンセル”してしまうと、ある意味“テレビ界からの追放”のような形になり、今後の復帰が簡単ではなくなってしまう。不祥事を起こしても、反省したならばセカンドチャンスを与えるべきですし、テレビ局的には、ほとぼりが冷めた頃に復帰しやすい状況を残しておきたいということなんだと思います」
昨今、不祥事を起こして、仕事を失った俳優の復帰の場として、Netflixなどのネット配信作品が選ばれることも多い。そういった状況も影響しているという。
「香川さんは主にテレビドラマと映画を中心に出演していて、ネット配信ドラマにはあまり関わっていません。いわば、香川さんはテレビのスター俳優なんですよね。ただ、香川さんのアクの強い演技は、地上波ドラマよりも過激な表現も可能なネット配信ドラマのほうがフィットするのではないかとの声も多いんです。今回の性加害報道をきっかけに、香川さんがテレビドラマから干されて、ネット配信の世界に主戦場を移したら、テレビ局は“数字が取れる俳優”をライバルに奪われる形になるわけです。それだけは絶対に避けたいからこそ、香川さんの出演ドラマを極力キャンセルしない道を選んでいるのでしょうね」
テレビ局にとっては“ドル箱俳優”である香川照之。当分はテレビ出演もなくなりそうだが、意外と早期の復活もあるかもしれない。