“治外法権”とまでは言いませんが、これまで、ファンの皆さんはもちろん、世間からもなんとなく許されてきてしまった歌舞伎役者さんの自由すぎる言動に「NO」が突きつけられたのは、市川中車サンこと香川照之サン(56才)も同じ。
8月26日、『THE TIME,』(TBS系)で生謝罪をしたときには、まさか1週間後、番組降板の挨拶をするとは本人も、共演者も、スタッフの皆さんも思ってもみなかったのではないでしょうか。
生謝罪の時点では、実は「トヨタ自動車」など、香川サンがCMキャラクターを務めている企業は去就を明言していなかったのです。
が、セクハラのみならず、パワハラという“二の矢”が飛んできた。果たして、降板や打ち切りが相次いで明らかになったのです。
9月2日、香川サンはVTRで謝罪。その際、「私のいままでの人生、すべてにかかわってこられた方々の中で、私が不快な想いをさせてしまった方々」に対しても丁寧に詫びたことには、そんな遡らなくてはいけないの?と本当に驚きました。この先、まだまだいろいろなことが出て来てしまいそうな“予感”があるからなのでしょうか。
近年、歌舞伎役者の皆さんがドラマや映画など現代劇に出演するのがトレンドになっていて、その筆頭ともいうべき存在が香川サンでした。梨園では発言権がないとの報道があるなか、今後、お仕事にどれほどの影響が出てしまうのでしょう。
11月と12月には歌舞伎座で市川海老蔵(44才)改め、十三代目市川團十郎白猿襲名披露が行われます。海老蔵サンにも“麻耶砲”が投下されて久しいですが、最近、双方とも、あまり肉声が聞かれなくなりました。
今年4月、複数女性との密会を「NEWSポストセブン」で報じられて以来、ライバル・尾上菊之助サン(45才)が共演NGを出しているのでは……という話も一部で聞こえてきます。
これまではOKとされてきた奔放な生活ぶりや、傍若無人な言動が世間に許容されなくなってきたいま、歌舞伎役者の皆さんのそれらは変わるのか、変われるのか。“アフター”と、そのプロセスを見守りたいと思います。
構成/山田美保子
『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!』(メ~テレ)、『アップ!』(同)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。
※女性セブン2022年9月22日号