正常な腸(提供・福岡天神内視鏡クリニック)
「胃のむくみは、放っておくと胃の下にある十二指腸や、それ以外の内臓にもむくみを生じます。
腸がむくむと便秘に、膀胱がむくむと尿漏れや頻尿に、子宮がむくむと不正出血が増えるケースもある。さらに悪化すると、胃や腸に潰瘍ができて出血することもあり、最悪の場合、大腸がんにつながるおそれもあります」
たっぷりのフルーツより「干しいも黒豆茶」
今中さんによれば、現代人の8割が、胃がむくんでいるという。原因はひとえに、水の飲みすぎだ。
「“水を飲めば飲むほど健康にいい”という思い込みは間違いです。必要な水分量は1日の活動量や活動場所によって異なる。
屋外で力仕事をするならある程度の水分が必要ですが、デスクワークが中心なら、1日2Lは明らかに飲みすぎ。デスクに500mlペットボトルを置いてこまめに飲んでいる人は多いですが、それも飲みすぎに当たります」
胃がむくむと、すぐに舌の状態に反映されるため、毎日舌をチェックしながら、水分の量を減らしてみるのがいい。
例えば、外食時にコップに残った飲み物を慌てて飲み干したりするのをやめるだけでも、大きな変化が出る人は多いという。
「“寝起きにコップ1杯の水を飲むといい”というのも、のどが渇いていなければ無理に飲む必要はありません。
また、フルーツの食べすぎにも注意してほしい。すいかやいちご、グレープフルーツは9割、水分が少なそうに見えるバナナでも7割以上が水分です」
これからの時期に食べるなら、さつまいもがおすすめだ。吸水性が高く、胃にたまった余分な水分を排出するのに役立つ。皮は特に食物繊維が豊富なので、皮ごと焼きいもにして食べるのがいい。
「飲み物には、温かい黒豆茶などがおすすめです。黒豆のほか、枝豆といった“色つきの豆”には利尿作用のあるカリウムが豊富で、胃のむくみを取る効果が期待できます」