自民党調査の公表基準項目以外で教団関連団体との関係があった議員
自民党は各議員が教団との関係を報告しても、党側の裁量で多くの議員を「公表対象外」として教団と関係した人数をできるだけ少なく見せかけていることがわかる。
なかには関係を否定した議員もいた。田中和徳・代議士は、2016年に街頭演説で「世界日報」を配布したことについて「ご質問の事実は把握できませんでした」と回答し、2017年に教団幹部と会談したことについては「ご質問の事実はございません」と回答した。西村明宏事務所は関連イベントの代表世話人については認めたものの、2017年の「日本─アメリカ国会議員有識者懇談会」について「出席していません」と回答。武見敬三事務所は2019年、参院選中の演説会に教団関係者が関与したとの指摘について「(選挙支援を)依頼したこともありませんし、事実も確認できません」と答えた。
だが、田中氏は過去に「世界日報」は「誤って配った」と認め、会談についても「党からの要請で国際局長としてお会いした」と話していた。西村氏も過去の会見で「(懇談会の)冒頭に行って話をした」と答えている。武見氏については2019年の参院選の際、武見氏の演説会に教団関係者がいたことを鈴木氏が現場で確認している。
鈴木氏が語る。
「自民党アンケートの最大の問題は、各議員が教団から秘書やスタッフを事務所に受け入れてきたか、教団側から陳情を受けたり、便宜供与を図ったことはないか、といった肝心な質問をしていないことです。これでは、教団がどう政治や政策に影響を与えたかがわからない。自民党は議員への質問状の1枚目に『党として組織的な関係性は一切ないことを確認済みです』と書いている。これは、議員側に“余計なことは書くな”と口封じしているように見える」
こんな調査で「旧統一教会とは関係を断ちます」などと言われても、国民が信用できるはずがないのだ。
※週刊ポスト2022年9月30日号