参考人質疑に出席して答弁する鈴木宗男氏(時事通信フォト)

「ムネオハウス問題」の国会参考人質疑に出席して答弁する鈴木宗男氏(時事通信フォト)

 誕生した経緯こそ疑惑の対象になったものの、交流事業を推進するうえで“ムネオハウス”の貢献度が高かったことは間違いない。だが、2020年に世界的に新型コロナの感染拡大が起きたことにより、「ビザなし交流」は一時中断を余儀なくされる。その状況が続く中で、今度はウクライナ戦争が勃発した。

「プーチン大統領が今後の交流そのものを破棄したため、プーチン政権が続く限り、日本人の利用はないと思われます」(前出の記者)

“ムネオハウス”に関連する国後島のロシア人にとって、ロシアの「西の端」で起きたウクライナ戦争は歓迎できないとの見方もある。施設は2021年に費用を投じて大規模補修が行なわれ、室内の壁紙も真新しくなったばかりだという。それなのに日本人が団体で宿泊する「ビザなし交流」が中止されたことで、中核的な収入を失ってしまったからだ。

 冒頭の日本人ビジネスマンが語る。

「古釜布には、ムネオハウスに宿泊した日本人が決まって視察する幼稚園があるのですが、日本人がお金を落とすことを期待して、幼稚園近くに商業施設を新設する計画もあったそうです。ビザなし交流がなくなれば、そうした計画も頓挫するでしょう」

 近隣住民の緊急避難所としても利用されているため、建物自体が取り壊されることはないだろう。だが、プーチン大統領が日本との「友好」を破棄した以上、20年以上の歴史を刻んだ“ムネオハウス”の役割の終焉は、避けられないところまで迫っている。

(取材・文/欠端大林)

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