ジブリパーク開園の11月1日、入り口近くにある「エレベーター塔」付近を歩く来園者ら(時事通信フォト)
リニモの年間利用者数は、右肩上がりで増え続けている。開業直後の2006年度は、利用者数が約501万人。コロナ前の2019年度は、約922万人まで増加した。これは、リニモ沿線が名古屋市のベッドタウンとして順調に発展したことを物語っている。
人口増により、通勤・通学需要が生まれた。そのほかにも、2016年にはイオンモール長久手が、2017年にはIKEA長久手といった大型商業施設が相次いで沿線にオープンした。これらの要因により、沿線外からリニモに乗って訪れる来街者も増えている。
コロナで一時的に減少した利用者はすでに戻りつつあり、いまだ沿線開発は進行中だ。そこにジブリパーク開園という追い風が吹く。リニモにとって利用者が増えることは喜ばしいが、その反面で混雑対策を講じる必要が生じている。
混雑を緩和する術として、最初に考え得るのは増便だろう。しかし、担当者は増便を予定していないとコメントした。
そのほかにも、列車を長編成化するといった手段が考えられる。3両編成で運行しているリニモを4両編成、5両編成と長編成化すれば、一便あたりの輸送人員は増える。
長編成化するには、ホームを列車に対応させるための延伸工事をしなければならない。それは大規模な工事になるので、容易には着手できない。慎重な議論が必要になるだろう。
ジブリパークという新しい名所の誕生は、愛知の観光振興や経済活性化といった面から期待されているが、輸送対策という面からも注目を集めている。